Lighter(ライター)とは|ゼロフィーで動くzk perp DEXの実力とLITトークン

目次

Lighterは、注文板の約定から清算までをZK証明でEthereumに固定する無期限先物(perp)のDEXです。リテール口座なら取引手数料はゼロで、しかも「運営が板を正しく回したか」を暗号学的に検証できる点が、他の板取引所と一番はっきり違うところです。

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Lighterとは|検証できる板取引のperp DEX

Lighterは、Ethereum上に自前で用意したアプリ特化のロールアップ(zkLighter)で動く無期限先物の取引所です。板でのマッチングやレバレッジ取引という体験は中央集権取引所(CEX)に近く、そのうえで決済と検証はEthereumに固定されます。よく「Arbitrum発」と紹介されますが、これは誤りで、LighterはArbitrum上のアプリではなく独自のEthereum L2です。

2025年10月4日に約8か月のプライベートベータを経てパブリックメインネットを公開し、同年12月30日にはトークンLITを上場(TGE)済みです。つまり「これから触ればエアドロがもらえる」段階の新興プロジェクトではなく、上場したトークンを持ちながら日々動いている大型の取引所として見るのが実態に合っています。

項目内容
チェーンEthereum(独自のアプリ特化 zk-rollup/zkLighter)
カテゴリ無期限先物(perp)DEX
ステージメインネット稼働中(2025年10月公開)
トークンLIT(2025年12月30日 上場済み)
資金調達6,800万ドル・評価額15億ドル(2025年11月)

対応するのはBTC・ETHから主要アルトまでの多資産perpで、注文はウォレット接続だけで始められKYCは不要です。日本から使えるかは公式が明示していないため、利用前に最新の対象地域を自分で確認する必要があります。

検証できる板取引という核

Lighterの中心にあるのは、注文のマッチング・ファンディングの授受・リスクチェック・清算という取引所の心臓部を、まるごとZK回路の中で計算し、その計算が正しかったことを証明として出力する仕組みです。Ethereumはその証明を検証してからL2の状態を確定させます。だから「運営が誰かの注文を不利に扱った」「清算を都合よく操作した」といった不正が入り込む余地を、運営を信じる代わりに数学で潰せます。

ここが難しいのは、CEX並みの速さと処理量を保ったまま、その正しさまでZKで証明しないといけないからです。多くのDEXは、この負担を避けるために板の運営をオフチェーンに委ねる(=運営を信じる部分が残る)か、AMM方式にして価格の付き方や滑りを犠牲にしています。Lighterは板の体験を保ったまま、すべての約定と清算をEthereum上で検証できるようにした点で立ち位置が違います。

ただし、この「検証できる」という価値は、正直なところ平常時にはあまり体感できません。相場が普通に動いているときは、検証できても取引の見た目は変わらないからです。効いてくるのは、急落で清算が連鎖したときや、約定の公正さが疑われる局面です。そういう「いざ」というときに運営を信じなくて済む、という保険として読むのが実態に近いでしょう。

分離・クロスの証拠金、指値/成行やTP/SL、1時間ごとのファンディングといった機能はひととおり揃っていますが、これらは主要な競合も持つ当たり前の装備なので、Lighterならではの強みではありません。

手数料はStandardなら完全無料

Lighterの採算を考えるうえで一番効くのは、リテール向けのStandard口座なら取引手数料がmaker・takerとも0%だという点です。perpでも現物(スポット)でも、通常の個人利用ではポジションを開いても閉じても取引手数料はかかりません。かかるのはEthereum L1との入出金時のガスくらいで、L2内の取引自体はゼロフィーです。

手数料が発生するのは、より高速な約定を求めるPremium口座を選んだ場合です。PremiumはLITをステークするほど手数料が下がる段階制で、maker・takerの料率と約定のレイテンシが同時に改善していきます。全体像は次のとおりです。

口座・ステーク量makertakertakerレイテンシ割引
Standard0%0%
Premium 0 LIT0.0040%0.0280%200ms0%
Premium 1,000 LIT0.0039%0.0273%195ms2.5%
Premium 3,000 LIT0.0038%0.0266%190ms5%
Premium 10,000 LIT0.0036%0.0252%180ms10%
Premium 30,000 LIT0.0034%0.0238%170ms15%
Premium 100,000 LIT0.0032%0.0224%160ms20%
Premium 300,000 LIT0.0030%0.0210%150ms25%
Premium 500,000 LIT0.0028%0.0196%140ms30%

読み方はシンプルで、ふつうに取引したい個人はStandardで手数料ゼロのまま使えて、板の速さを詰めたいアクティブなトレーダーだけがLITをステークしてPremiumの割引を積み上げていく構図です。最安ティアの30%割引にはLITを50万枚ステークする必要があるので、実際に得になるのは相当な取引量を回す層に限られます。

ファンディングも取引所は手数料を取らず、ロングとショートの間で1時間ごとに授受されるだけです。Premium口座には自動で6%のリベートが付き、ステークを積むと最大15%まで上乗せされます。最小注文額は市場ごとにおおむね10 USDC相当から、レバレッジ上限は最大50倍と第三者レビューでは伝えられていますが、これは主要な競合と同じ水準で、上限の高さそのものが強みというわけではありません。

なぜLighterは生まれたのか

Lighterは、まったくの新規事業として立ち上がったわけではありません。創業者のVladimir(Vlad)Novakovskiは、2017年にAIで人と人を引き合わせる紹介サービスLunchclubを共同創業してCEOを務めていましたが、そのサービスが2022年に成長の頭打ちに直面します。

本人によれば、そこには三つの道があったといいます。「小さくても黒字化する/TikTokやSnapchatのような規模へ化けさせる/本当にワクワクできる別物へ転換する」の三択で、二番目は現実的でなかったと振り返り、彼は三番目を選びました。チームの8割を保ったまま、暗号資産デリバティブ取引所のLighterへピボットしたのです。

この選択の背景には、彼自身のトレーダーとしての原点があります。NovakovskiはCitadelで高頻度取引(HFT)に携わった経歴を持ち、金融の執行がどれだけ速さと正確さを問われるかを肌で知っています。転換の動機を、彼は「暗号資産のために暗号資産を作る」のではなく、実際の問題を解くことだと語り、当時の観測として「デジタル資産取引の99%は、実際にはブロックチェーンのレールを使っていなかった」と述べています。

そこから出てくるのが、彼の掲げる考えです。「DeFiはTradFi(伝統金融)の性能に匹敵すべきだが、検証可能性を犠牲にしてはならない」。金融で起きることが公正・正確・透明に行われていることを検証するインフラ層になる、という発想が、板の約定と清算をZKで証明するという設計にそのままつながっています。ゼロフィーや検証可能性が後付けの売り文句ではなく、HFT出身者が実問題として選んだ道だと分かると、この取引所の設計思想は少し違って見えてきます。

LITトークンとチーム・投資家

LITは2025年12月30日に上場し、総供給は10億枚です。配分はコミュニティ寄りとインサイダー分がおおむね半々で、下の図と表のようになっています。

項目内容
ティッカーLIT
総供給量10億 LIT
配分Airdrop 25%・Ecosystem 25%・Team 26%・Investor 24%
主な用途Premium手数料の割引・ファンディングのリベート・ステーキング
ベスティングTeam/Investorは1年クリフ+3年リニア

注目したいのは、エアドロとして配られた総供給の25%が、ベスティングもクレーム作業もなく、Season1/2のポイント保有者のウォレットへ上場と同時に即時付与された点です。つまり主要なエアドロはこのTGEで完了しており、いまから取引を始めても同じ配布に間に合うわけではありません。現時点で継続している「貯める」余地は、エアドロではなく2026年1月28日に始まったLITステーキング(年利は報道値で約17.8%)です。Season3の可能性を示すteaser段階の報道はありますが、2026年7月時点で公式には確定していません。なお、このコミュニティ50%・インサイダー50%という配分は、「フェアローンチか内部者優遇か」でコミュニティの評価が割れた経緯があります。

開発を率いるのはCitadelでのHFT、QuoraでのML、Addeparでのエンジニアリングを経てきたNovakovskiです。資金面では、2025年11月に評価額15億ドルで6,800万ドルを調達しており、リードはFounders FundとRibbit Capital、Haun VenturesとRobinhoodが参加しています。取引アプリを持つRobinhoodがVCとして出資に加わるのは珍しく、Robinhood Walletが自社のperps提供にLighterを使っていることと合わせて、単なる出資以上の実需のつながりを示しています。

項目内容
創業者Vladimir (Vlad) Novakovski(CEO・元Citadel HFT)
投資家Founders Fund・Ribbit Capital・Haun Ventures・Robinhood

Hyperliquid・GRVTと出来高でどう並ぶか

Lighterがどのくらいの規模で回っているかは、他の主要なperp DEXと並べると見えてきます。下の表はいずれも同じ集計元・同一時点(2026年7月16日)の数値です。

項目LighterHyperliquidGRVTExtended
24h出来高約10.4億ドル約82.4億ドル約13.1億ドル約5.7億ドル
perpペア数194355168103
建玉(OI)約8.6億ドル約111.9億ドル約3.6億ドル約1.9億ドル

首位のHyperliquidは出来高で一段抜けていますが、Lighterはそれに次ぐ集団の上位に安定して位置しており、GRVTと肩を並べる規模で回っています。ローンチ直後(2025年11月)のピークでは30日出来高が約2,795億ドルに達し、その後インセンティブの縮小を経て正常化した現在も、perp DEXの出来高・建玉で上位を維持している点が読みどころです。報酬目当ての一時的な水増しだけで数字を作っているわけではない、ということを示しています。

編集部の見立て|どの局面で効くか

Lighterのいちばん分かりやすい価値は、リテールなら取引手数料がゼロで、そのうえ板の約定と清算をEthereum上で検証できることです。ふだんの取引だけを見れば、手数料ゼロという点は多くのトレーダーにとって素直に効きます。取引量が多いほど手数料の差は効いてくるので、頻繁に回す個人ほどStandard口座の恩恵は大きくなります。

一方で、目玉である検証可能性は、平常時には体感しにくい性質のものです。

トークンの面では、上場後もperp DEXの出来高・建玉で上位を保ち、Robinhood WalletやTelegram経由での採用という実需の下支えがある点が、報酬依存だけで動くプロジェクトとの違いになっています。ただしコミュニティ50・インサイダー50の配分をめぐる評価の割れや、Ecosystemリザーブからのバーンとステーキング原資の拠出といった需給の動きは、LITを持つかどうかを考えるうえで自分の目で追う価値があります。

よくある質問

Lighterは日本から使えますか

公式は日本を含む対象地域を明示していません。KYCは不要でウォレット接続だけで取引を始められますが、利用の可否は自己責任になるため、使う前に公式の最新の利用規約と対象地域を確認してください。

Lighterの手数料はいくらですか

リテール向けのStandard口座はmaker・takerとも0%で、通常の個人利用では取引手数料がかかりません。より速い約定を求めるPremium口座だけ手数料が発生し、LITをステークすると最大30%割引されます。

いまからLighterを触るとエアドロはもらえますか

総供給の25%を配る主要なエアドロは2025年12月30日の上場と同時に完了済みで、いまから取引を始めても同じ配布には間に合いません。継続している「貯める」余地は現状LITステーキングで、Season3の追加配布は2026年7月時点で未確定です。

少額で試す手順とリンク集

はじめは無理のない少額で、板の感触と手数料を自分で確かめるのがよいでしょう。

  1. app.lighter.xyzにアクセスし、Ethereum系のウォレットを接続する
  2. 対応チェーン経由で証拠金(USDCなど)を少額だけ入金する
  3. 取引したいperp市場を選び、指値と成行の板の動きを確認する
  4. 小さいサイズで注文を出し、約定とファンディングの挙動を実際に見る
  5. アクティブに回す場合のみ、Premiumの手数料ティアとLITステークの損得を検討する

👉 Lighterで最新の手数料と対象地域を確認する

まとめ

Lighterは、リテールなら手数料ゼロで板取引ができ、その約定と清算をEthereum上で検証できる二段構えのperp DEXです。検証可能性が効くのは平常時ではなく清算や公正さが問われる局面であり、いま使うか・LITを持つかは、この効きどころと出来高・トークン需給を材料に読者自身が判断できます。

出典

  1. Blockworks(2025)— https://blockworks.com/news/lighter-opens-public-mainnet
  2. Lighter Docs(2026)— https://docs.lighter.xyz/trading/trading-fees
  3. Lighter Docs / Funding(2026)— https://docs.lighter.xyz/trading/funding/funding-rate-rebates
  4. CCN(2026)— https://www.ccn.com/analysis/crypto/lighter-crypto-lit-live-price-project-airdrops-supply/
  5. Tokenomist(2026)— https://tokenomist.ai/lighter/tokenomics
  6. Fortune(2025)— https://fortune.com/2025/11/11/lighter-fundraise-founders-fund-ribbit-capital-haun-ventures-robinhood-vladimir-novakovski/
  7. The Defiant(2026)— https://thedefiant.io/news/markets/lighter-to-burn-repurchased-lit-fund-staking-from-ecosystem-reserve
  8. KuCoin(2026)— https://www.kucoin.com/news/articles/lighter-protocol-s-250m-token-shift-tge-imminent-and-how-to-prep-for-the-lit-airdrop
  9. Fortune / Yahoo 独占取材(2026)— https://finance.yahoo.com/news/exclusive-defi-founder-graduated-harvard-130000641.html
  10. Cryptobriefing(2026)— https://cryptobriefing.com/vladimir-novakovski-defi-must-match-tradfi-performance-without-sacrificing-verifiability-why-solving-real-problems-is-key-to-crypto-innovation-and-the-future-of-ethereums-institutional-use-cases/

免責事項

  • 本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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