City Protocol(Venzo)とは|仮想通貨で買う利回り金庫と米国株

目次

City Protocolは、ヘッジファンド型の運用や米国株のバスケットを、ステーブルコインのままオンチェーンで買える基盤です。個人が触るのは旗艦アプリのVenzoで、外部の運用会社が動かす利回り金庫4本と、トークン化した米国株を自分の口座で持てるバスケットが同じ画面に並びます。自社トークンの発行はこれからで、いま動いているのはVenzoへの入金で貯まるポイント「Polis Points」のSeason 2です。

City Protocolとは|Venzoで何ができるか

City Protocolは商品を作って配る側の仕組みで、Venzoは個人がそれを買うためのアプリです。入口はどちらもUSDCかUSDTの入金で、証券口座の開設は要りませんが、規約は商品によって本人確認を求める場合があると定めています。

項目内容
チェーン金庫はArbitrumとEthereum、株式バスケットはBNB ChainとBase
カテゴリオンチェーンの仕組み商品(利回り金庫と株式バスケット)
ステージメインネット稼働。独自トークンは未発行
資金調達2026年8月にPre-Series A 400万ドル、シード込み累計1,100万ドル
対象外の地域米国・中国本土・香港・制裁対象の地域(アプリの初回同意画面)

画像:Venzoアプリ(Explore)のスクリーンショット(2026年9月24日撮影)

前身はCooking Cityで、2025年にはSolana上でミームコインの発行基盤を運営していました。700万ドルのシードを集めたのもこの時期で、2026年に仕組み商品へ移りました。第三者サイトに残る古い参加手順(Galxeのクエストや特定のミームコイン保有)は、いまのVenzoとつながっていません。

ステーブルコイン利回り金庫の中身と手数料

金庫は、預けたUSDCやUSDTを外部の運用会社がそのまま運用する商品です。運用するのはVenzo自身ではなく金庫ごとのキュレーターで、承認された範囲の戦略だけを動かします。

金庫運用者と戦略表示利回り出金
Delta-Neutral Prime USDLiquid Alpha/価格変動を打ち消す市場中立の運用年7.83%(APR)申請から最低7日後に日次処理
JUSD Fixed-Rate CreditJPEG Trading/固定金利の貸付とマーケットメイク年11.8%(APY)週次
Affinity Quant CreditAffinity/統計的な裁定取引年8.43%(APY)月次
Pro Lend PLUSBitlend Pro/取引所の証拠金貸付市場へ供給年8%(APY)月次

市場中立(デルタニュートラル)とは、買いと売りを同量持って価格変動の損益を打ち消し、残る資金調達料や手数料収入だけを取る運用です。表の数字は2026年9月24日のアプリ表示です。利回りは手数料を引いた後の値で、約束された金利ではありません。

手数料は金庫ごとに違います。Delta-Neutral Prime USDは管理報酬なしで、利益に対する成功報酬が20%。JUSD Fixed-Rate Creditは管理報酬なしで成功報酬0.2%です。金庫が受け取る手数料の最大30%はCity Protocol側がインフラ利用料として取りますが、支払いは現金ではなく、新たに発行する金庫の持分です。

差が出るのは出金の条件です。いちばん出しやすいDelta-Neutral Prime USDでも申請から最低7日待って日次処理に回り、残りの3本は週次か月次のタイミングでしか出せません。

同じステーブルコインの預け先でも、合成ドルで利回りを出すEthenaはsUSDeの解除に1〜7日かかり、貸付市場のMorphoは流動性のある範囲で即時に出せます。Venzoの金庫は拘束が長い分を利回りで埋める設計です。

トークン化株式を1回の取引で持つOTP

OTP(オンチェーン・トークン・ポートフォリオ)は、トークン化した米国株を複数まとめて1回の取引で買える商品です。

ファンド型のインデックス商品と違うのは、買った株を誰が預かるかです。ふつうは運用者のプールに資金を集めて1種類の受益トークンを配りますが、OTPはプールを作りません。ウォレットを繋ぐと自分専用のスマートアカウントが作られ、買った株式トークンはそこへ直接入ります。7銘柄なら7銘柄がそのまま並び、あとから1銘柄だけ売ることも、送ることもできます。

この形にするには、鍵の管理と注文を出す権限を分ける必要があります。Venzoは埋め込みウォレットのPrivyで鍵を2つに分け、利用者が鍵を持ったまま、リバランスの注文を出す権限だけを取り消せる形で渡します。買い付けは1回の取引で公開された比率どおりに分けて約定し、Magnificent 7なら7分の1ずつです。

いま買えるのは3本です。

  • Magnificent 7(MAG7):BNB Chain上のbStocksで大型テック7社。過去1年は+13.2%
  • Fantastic 4(FAN4):Base上のCoinbase Tokenized Stocksの4銘柄をAerodromeで約定。過去1年は+23.9%
  • Elon Musk Mega 2:TeslaとSpaceXを半分ずつ。公開されている期間では−20.2%

画像:Venzoアプリ(MAG7 Portfolio)のスクリーンショット(2026年9月24日撮影)

明示されている費用は買うときの執行手数料0.1%で、最低購入額は1 USDTです。少額から試せますが、構成銘柄そのものが米国外の利用者向けに発行されている点は先に押さえておく必要があります。

同じ構成は、トークン化株式を銘柄単位で扱うxStocksで7回買っても作れます。その場合は執行手数料も追加のアカウントも要りませんが、比率を保つ手間は自分に残ります。

👉 Venzoの商品ラインナップと手数料を公式アプリで見る

Polis Pointsの貯め方とエアドロップの現在地

Polis Pointsは、Venzoに預けた金額と日数に応じて毎日貯まる自社ポイントです。アプリには「ポイントは拘束力のない裁量的なもので、トークンの配分・価値・交換比率のいずれも保証しない」という断り書きがあります。

プログラムもらえるもの条件・期限
Polis Points Season 2(City Protocol)Polis Points(自社ポイント)Venzoの対象商品に残高を持つこと。期間は2026年9月3日〜10月30日
City Rewards(City Protocol)上限2万ドル相当の$CP(未発行トークン建て)Base AppのミニアプリViral Cityでサインインし、タスクを完了

基本は預入額1ドルにつき1日1ポイントで、ここに倍率が掛かります。金庫への預入は3倍、Magnificent 7のバスケットは10倍です。さらに残高の大きさに応じて1倍から4倍、入金した時期で決まるGenesis倍率、同じ資金を置き続けた日数で上がるLoyalty倍率が重なります。紹介制度では、被紹介者の獲得分の15%が紹介者に、5%が被紹介者に付きます。

画像:Venzoアプリ(Points Season 2)のスクリーンショット(2026年9月24日撮影)

自社トークンは未発行のままです。公式ドキュメントのティッカーは$CIT、Base App側のキャンペーンや旧資料は$CPで、呼び名が揃っていません。配分表ではコミュニティ枠が15%ですが、総供給量も配布の時期も公表されていません。

預けた資金と運営はどこまで確かめられるか

残高の裏付けは外部のダッシュボードで公開されており、金庫の残高はブロックチェーンからも直接数えられます。数えて見えてくるのは、総額よりも内訳の偏りです。

Arbitrum上の自前3金庫を公式のインデクサで合計すると、残高は約6,357万ドル、預け入れているウォレットは571件でした。JUSD Fixed-Rate Creditの残高1,146万ドルのうち、1,129万ドルを1つのウォレットが占めます。

※金庫の残高とウォレット数は、2026年9月24日に編集部がCity Protocol公式のsubgraphから取得しました。

Accountableという第三者が公開するページでは、3つの金庫の準備金と発行済み持分、担保率が15分ごとに更新されます。2026年9月24日時点の担保率は約113%、準備金は約6,200万ドルでした。

画像:City Protocol Proof of Solvency(Accountable)のスクリーンショット(2026年9月24日撮影)

金庫のコントラクトはZenithの監査を受けています。市場中立の金庫には、PashovとSpearbitを含む3社の監査報告がドキュメントにあります。出資したのはDragonflyやJump Crypto、CMT Digital、Mirana Venturesなどで、累計1,100万ドルを集めました。創業者のJerome Wongは香港の投資会社Everest Ventures Groupの共同創業者で、HSBCとUBSの投資銀行部門の出身です。

いまのVenzoで個人が少額から試せるのは株式バスケットのほうです。金庫は出金の条件と大口に偏った残高からして、まとまった資金を長く置く前提の商品に見えます。ポイントの倍率設計も同じで、バスケットに10倍、残高が大きいほど上がる倍率を掛ける以上、同じ日数を置いても大口ほど効率がよく、少額の参加者は配分で薄くなります。まだ分からないのは、ポイントが何と交換されるのかと、Season 2の後に残高が残るのかの2点です。

Venzoの使い方|入金から出金まで

ウォレットを繋ぎ、対応チェーンにUSDCかUSDTを用意すれば買えます。始める前に確認が要るのは対象地域です。

ウォレットと入金資産を用意する

  1. MetaMaskなどのEVM対応ウォレットを用意し、買う商品のチェーンへUSDCまたはUSDTを送ります。
  2. ガス代は自己負担なので、各チェーンのネイティブ通貨も少し残しておきます。
  3. Venzoのアプリを開き、初回に出る同意画面で利用規約と対象地域の条件を確認します。

金庫にステーブルコインを預ける

  1. Explore画面で金庫を選び、Deposit欄に金額を入れて、承認と入金の取引に署名します。
  2. 入金すると持分トークン(Delta-Neutral Prime USDならaprimeUSD)が戻り、これが残高の証明になります。
  3. その金庫がポイントの対象かは、Campaign画面のEligible Strategiesで確かめます。

株式バスケットを買う

  1. 買いたいバスケットのページでウォレットを繋ぎ、自分用のスマートアカウントを作ります。
  2. そのアカウントへUSDTを入金します。最低1 USDTから動かせます。
  3. 「Build the index」を押すと、1回の取引で構成銘柄がまとめて買われ、株式トークンが自分のアカウントに入ります。

出金を申請する

  1. 金庫は出金を申請してから待機に入ります。Delta-Neutral Prime USDは最低7日、申請の有効期限は14日で、残りは週次か月次です。
  2. 株式バスケットは1回の取引でまとめてステーブルコインに戻すか、銘柄を選んで売ります。
  3. 金庫から全額を引き出すと、ポイントのLoyalty倍率がリセットされ、Genesis倍率の増分も消えます。

日本から使えるかどうかは、公式の条件だけでは判断できません。アプリが除外を明記しているのは米国・中国本土・香港・制裁対象の地域で、日本は入っていませんが、利用できる国として挙げられてもいないからです。株式バスケットの構成銘柄には、米国外の利用者向けという条件が別にかかります。

👉 対象地域と最新の条件を公式アプリで確かめる

まとめ

City Protocolは、外部の運用会社が運用する利回り金庫と株式トークンのバスケットを、ステーブルコイン1本で買えるアプリとしてVenzoを出しています。準備金と残高は外から確かめられますが、その残高は少数の大口が占めており、出金できる頻度も商品によって差があります。ポイントは貯まりますが、何といつ交換されるのかは決まっていません。

出典

  1. City Protocol公式(2026年)
  2. Venzoアプリ(2026年)
  3. Venzo Prime USD金庫(2026年)
  4. Venzo MAG7バスケット(2026年)
  5. Venzo Campaign(2026年)
  6. City Protocol docs・ポイントS2(2026年)
  7. City Protocol docs・手数料(2026年)
  8. City Protocol docs・監査(2026年)
  9. City Protocol docs・配分(2026年)
  10. City Protocol docs・OTP商品(2026年)
  11. Venzo docs・利用資格(2026年)
  12. City Protocol Proof of Solvency(2026年)
  13. Viral City(2026年)
  14. City Protocol subgraph(2026年)
  15. crypto.newsの調達報道(2026年)
  16. TechFlow OTP開始報道(2026年)
  17. Finoverse Jerome Wong(2026年)

免責事項

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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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