Kana Labs(Xyra Labs)とは|Aptos初の完全オンチェーンperps DEX

目次

Kana Perps は、Aptos 上で動く無期限先物(パーペチュアル, perps)の取引所です。多くの取引所が運営サーバーに逃がす注文板そのものを、約定も決済も含めてチェーンの上で動かしているのが一番の見どころです。大型のエアドロ施策はすでに一巡し、いまの焦点は2026年予定の刷新版と、実際に板を触ったときの約定の手触りに移っています。

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Kana Perpsの現在地

注文の受付からマッチング、約定、決済まで、Kana Perps はそのすべてを Aptos 上のスマートコントラクトで処理します[1]。運営チームは2025年10月に Kana Labs から Xyra Labs へ改称し、クロスチェーンスワップ・流動性アグリゲーション・分散型 perps を一つの基盤へまとめる構想を掲げました[2]。名前は変わってもプロダクトの系譜は地続きで、これまでの Kana Perps がそのまま Xyra Perps と呼ばれていると捉えれば取り違えません。

項目内容
チェーンAptos
カテゴリ完全オンチェーン CLOB 型 perps DEX
ステージメインネット稼働中(2025年6月11日〜)/KANA は未上場
主な機能APT・BTC・ETH の perps、最大20倍レバレッジ、ガスレス取引
資金調達シード $200万(2023年・取引所/戦略系が中心)

取り扱いは APT・BTC・ETH の perps で、最大20倍のレバレッジを使えます[1]。分離マージン(isolated margin)、テイクプロフィット/ストップロス、両建てのヘッジモードといった一通りの注文機能は、この分野なら標準装備と考えてよい水準です。判断のために見るべきは、こうした機能表よりも板の厚みとトークンの状態のほうです。

板をチェーンに載せる選択

Kana Perps の核は、注文板(オーダーブック)とマッチングエンジンを Aptos 上の高性能エンジン Econia に載せ、価格のマッチングと約定を1トランザクションで完結させる点にあります[1][3]。指値注文板をオンチェーンのまま動かすのは、保持すべき状態量が大きく、ガスとレイテンシの制約も重いため、技術的には難所です。だからこそ多くの分散型取引所は、価格をプール任せにする AMM 方式か、注文板だけを運営サーバー(オフチェーン)に置く折衷へ逃げます。

Econia は Aptos の並列トランザクション実行(Block-STM)を前提に設計され、板の更新と約定を一つの処理に畳み込みます[3]。価格発見やスリッページ(約定価格のずれ)に弱い AMM とも、自己管理性と透明性を犠牲にするオフチェーン板とも違い、資産を自分の管理下に置いたまま中央集権取引所(CEX)に近い指値体験を狙う立て付けです。手数料は 0.05% 水準、成行注文はガスレス(手数料をプロジェクト側が肩代わりするスポンサードトランザクション)で、CEX に寄せた操作感を打ち出しています[1]。

ただし、この設計が「速い・安い」をどこまで実現できているかを示す定量ベンチマークは公的に確認できません。仕組みとしては合理的でも、約定速度や板の深さが実際に CEX 級かどうかは未検証で、設計上の合理性と実測の手触りは分けて見るべきです。そして自己管理と透明性という強みが今すぐ効くのは、板が薄くても自分で価格を引きに行ける中上級トレーダーに限られ、一般の参加者には流動性が育つまで潜在的な優位にとどまります。

KANAトークンの状態

KANA は、リワードポイントの交換先として設計されたトークンです。注意したいのは、本稿の調査時点(2026年6月)で公的に確認できる発行日も上場価格も無く、ポイントは「TGE(トークン生成イベント)後に KANA へ交換」とされている点です[4]。

項目内容
ティッカーKANA
総供給量3億 KANA(公式ドキュメント上の最大供給)[4]
配分(エアドロ/コミュニティ)過去シーズンでポイント比例配分(配分%は未公表)
主な用途ポイント交換、NFT・新製品の早期アクセス等
上場取引所未上場(pre-TGE)[5]

総供給の上限こそ公表されていますが、流通量・配分比率・換算レートはいずれも未確定です。価格を裏取りできる外部の価格 API も存在せず、価格情報サイトでも「Xyra Labs へ改称」とだけ表示されライブ価格が出ません[5]。KANA は、価値がまだ値付けされていない段階のトークンだと理解して向き合うべきです。

いま無料配布枠は残るか

いま接続すれば確約された無料配布が受け取れる常設のエアドロ枠は、公的に確認できる範囲では存在しません。最大500万 KANA を原資にした Season 2(Points & Referrals)は2024年12月3日から2025年1月1日で終了済みで[6]、その後の Xyra Perps Year-End Trading Rally(報酬プール最大 $20,000 USDT)も2025年12月26日から2026年1月16日で締め切られています[7]。

残っているのは、将来に向けた仕込みの余地です。運営は2026年に、注文板とマッチングエンジンを刷新した Xyra Perps V2 とコピートレード・Vault を予告しており[8]、ここに合わせて次のシーズンや TGE が動く可能性はあります。実トレードで板を使う層なら低工数でポイント原資を積んでおく価値はありますが、これは常設施策が再開した場合に反映され得るという話で、現時点で配布を確約するものではありません。仕込んでおくなら次の手順になります。

  1. Aptos 互換ウォレット(Petra / Pontem 等)を用意し、ガス用に少額の APT を入れる
  2. 公式サイトでウォレットを接続し、現行 UI と次施策の告知状況を確認する
  3. 実トレードで使う層は Kana Perps(APT・BTC・ETH、最大20倍)を低工数で触り、施策再開に備える
  4. 公式 X(@xyralabs_)・Medium・Discord で TGE と次シーズン、Xyra Perps V2 の告知をウォッチする

👉 Kana Perps(Xyra Perps)の現行UIと次施策の告知を確認する

Hyperliquidと並べた規模感

完全オンチェーンの板取引という設計の近さで見ると、比較対象になるのは Hyperliquid や edgeX、Ondo Perps といった注文板系の perps DEX です。下の数値は、取引所ごとの計上差を避けるため CoinGecko デリバティブの同一定義(24時間出来高・建玉・上場 perp ペア数)で揃えています[9]。KANA は同集計に未掲載のため数値行には乗せられず、規模は運営の自己申告に頼る点に注意が必要です。

項目Kana PerpsHyperliquidedgeXOndo Perps
約定方式オンチェーンCLOBオンチェーンCLOBオンチェーンCLOBオンチェーンCLOB
基盤チェーンAptos独自L1
24h出来高(USD)未掲載(累計 約$20億は報道値)[10]約103.7億約9.0億約0.76億
建玉(USD)未掲載約92.9億約4.1億約0.11億
上場perpペア数未掲載3588323

数値が空くセルが Kana Perps 側に集中している事実が、そのまま現在地を表しています。運営は2025年に perps で累計 約$20億の取引量に達したと総括していますが[10]、これは累計値であり、いま板にどれだけ厚みがあるかを示す直近の出来高・建玉とは別物です。同じ完全オンチェーンの土俵でも、流動性の桁では先行勢と差がある段階だと読めます。

触る前に効くリスク

最も実害に直結するのは、板の薄さです。出来高や建玉で先行勢に水をあけられている段階では、大きめの成行を出すと約定価格が想定からずれるスリッページが起きやすく、レバレッジを掛けた建玉ほど不利な約定や意図しない清算につながります。最大20倍が使えること自体は標準的でも、薄い板で高レバを掛ける組み合わせが一番危ない、という関係を押さえておきます。

次に、KANA が未上場である点です。ポイントを積んでも、それが最終的にいくらの価値で交換されるかは現時点で誰にも分かりません。換算レートも配布時期も、TGE の公式告知が出るまでは未確定として扱うのが安全で、ポイントを確定したリターンと捉えると期待が外れます。

地域制限も確認が要ります。日本からの利用可否や対象地域の扱いは、デリバティブを扱うプロダクトでは変わり得るため、接続する前に公式の最新の利用条件を自分で確かめてください。

編集部の評価

板を自分で読み、薄い流動性でも指値で価格を取りに行ける中上級のトレーダーには、自己管理のまま CEX に近い指値体験を試せる場として触る価値があります。Aptos の DeFi に張っていて、エコシステムの中核プロダクトを早めに体験しておきたい人にとっても、現行 UI を触っておく意味はあります。

逆に、確約された無料配布を目当てに今すぐ参加したい人や、深い流動性と狭いスプレッドを前提に大きめのサイズで回したい人には、現時点では向きません。前者は配布枠がすでに閉じており、後者は板の厚みが先行勢に届いていないためです。

評価軸レーティング根拠
バリュエーション評価不能KANA は未上場で時価が無い
投資家の質Gate.io・MarbleX・Klaytn 等、取引所/戦略系が中心でトップVCではない
トークン設計中(未確定)総供給3億は公表も、配分%・換算レート・TGE時期が未定
工数対リターン中〜やや低過去シーズン終了+未TGEで即時の無料配布EVは乏しい
リスク中〜高薄い板でのスリッページ・清算、未上場、地域制限

私たちの見立ては、層によってはっきり分かれます。実トレードで板の手触りを取りに行く中上級者には、いま触る価値があります。完全オンチェーンの指値体験は希少で、2026年の Xyra Perps V2 と次シーズンに向けて低工数でポイントを積んでおく意味もあるからです。一方、無料配布の即時 EV を狙う層には見送りを勧めます。確約された配布枠は閉じており、KANA の価値も値付け前で、いま動いても期待値を計算できないからです。Aptos DeFi を追う長期ウォッチャーには、資金を厚く入れるより、TGE と V2 の公式告知が出るまで現行 UI を軽く触りながらウォッチするのが現実的です。

よくある質問

Q. Kana Labs と Xyra Labs は別物ですか? 同じプロジェクトです。2025年10月に Kana Labs が Xyra Labs へ改称し、取引所機能の Kana Perps も Xyra Perps の名で提供されています。古い情報源では旧称のまま記載されていることがあるので、名称だけで別物と誤解しないようにしてください。

Q. 結局、いまから参加して無料でもらえますか? 確約された無料配布枠は現時点ではありません。最大500万 KANA の Season 2 は2025年初に、$20,000 USDT の年末ラリーも2026年初に終了しています。次の配布は2026年予定の Xyra Perps V2 や TGE の告知待ちで、公式 X・Discord をウォッチするのが確実です。

Q. いくらから始められますか? ガス用に少額の APT があれば接続自体は可能で、まとまった入金は必須ではありません。ただしレバレッジ取引は薄い板でのスリッページと清算リスクがあるため、最初は失っても困らない少額で板の挙動を確かめることをおすすめします。

Q. 日本から使えますか? デリバティブを扱うプロダクトのため、対象地域の扱いは変わり得ます。利用可否は公式の最新の利用条件で都度確認してください。本記事はその裏取りを保証するものではありません。

関連情報・リンク

公式情報と、設計が近い競合の記事をまとめます。

まとめ

Kana Perps は、板そのものをチェーンに載せるという難所に正面から挑み、Aptos の並列実行を使って自己管理のまま CEX に近い指値体験を描いてみせたプロダクトです。ただしその絵が「速い・安い」を実測でどこまで満たすかはこれからで、トークンも値付け前、無料配布の窓もいったん閉じています。設計の筋の良さを認めつつ、板の厚みと TGE の輪郭がはっきりするまでは、確信ではなく観察の対象として距離を測るのが、いまのこのプロジェクトとの正しい間合いだと考えます。

出典

  1. CoinFomania — https://coinfomania.com/kana-labs-launches-first-fully-on-chain-perpetuals-dex-on-aptos-mainnet-with-gasless-clob-based-trading-functionality-promising-fast-and-frictionless-trading/
  2. Xyra Labs(Medium, 2025年)— https://xyralabs.medium.com/kana-labs-rebrands-to-xyra-labs-a-new-chapter-in-web3-innovation-b53f7d6d455a
  3. Kana Labs Docs(Orderbook)— https://docs.kanalabs.io/perpetual-futures/kana-perps/breaking-down-kana-perps/orderbook
  4. Kana Labs Docs(Tokenomics)— https://docs.kanalabs.io/tokenomics-and-governance/kana-labs-tokenomics
  5. CryptoRank(KANA 価格ページ)— https://cryptorank.io/price/kana-labs
  6. airdrops.io(Kana Labs)— https://airdrops.io/kana-labs/
  7. X / @Ghosterx4x(2025年)— https://x.com/Ghosterx4x/status/2004732572266528949
  8. Xyra Labs(2025 Roundup, Medium)— https://medium.com/xyra-labs/xyra-labs-2025-roundup-7f616badaa27
  9. CoinGecko デリバティブ — https://www.coingecko.com/en/derivatives
  10. Xyra Labs(2025 Roundup, Medium)— https://medium.com/xyra-labs/xyra-labs-2025-roundup-7f616badaa27

免責事項

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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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