RWA(リアルワールドアセット)とは、米国債や不動産など現実資産の権利をトークン化した仮想通貨分野の仕組みです。2026年の市場規模の実測値と代表銘柄、国内STとの違い、日本からの入口を確認できます。

目次
300米国債や不動産といった現実の資産をブロックチェーン上のトークンにして取引する「RWA(リアルワールドアセット)」が、暗号資産市場の主要テーマになっています。資産運用最大手のBlackRockがトークン化国債ファンドを運用し、トークン化した株式をローン担保に使える大手取引所も現れました。
一方で日本語の検索結果には、「2030年に16兆ドル」のような予測値や、金融商品取引法で規制される「セキュリティトークン」の話が、同じRWAという言葉で混ざって流れてきます。何がトークン化され、数字のどこまでが実測で、日本の個人はどこから触れられるのか——この3点がRWAを理解する軸になります。
RWA(リアルワールドアセット)とは何か
RWA(Real World Assets/リアルワールドアセット)とは、現実世界の資産への権利をブロックチェーン上のトークンとして表したものです。対象は米国債・不動産・金・株式・企業向け貸付など、チェーンの外にある資産全般で、トークンの保有が資産への法的・経済的な請求権とひも付きます。
この言葉に単一の提唱者や規格はありません。2020年前後、ステーブルコインDAIを運営するMakerDAOが「現実資産を担保に入れる」議論を始めました。
2021年4月にはCentrifugeと組んで初の実世界ローンをオンチェーンで実行し、この頃からDeFi(分散型金融)の用語として定着しています。
市場データの事実上の標準である集計サイトrwa.xyzは、ステーブルコインをRWA本体と別建てで数えており、どちらを含めるかで市場規模は桁ごと変わります。
トークン化で何が変わるのか
変わるのは主に取引時間・最小単位・決済の3つです。市場の営業時間や最低投資額に縛られていた株式や国債が、24時間365日、小口から取引でき、決済もオンチェーンで完結します。
もう1つ大きいのが担保としての再利用です。2026年7月31日にはBybitがトークン化されたNvidia株やApple株などをローン担保に採用しており、現実資産を暗号資産と同じ担保枠で使う動きは大手取引所にも広がっています。
RWAの市場規模はいまいくらか
オンチェーンRWAの総額は約372億ドル、保有者は約156万人で、保有者数は直近30日だけで約50%増えています。規模そのものより、増える速度に勢いがある市場です。
編集部確認: 2026年8月3日にrwa.xyzの公開ダッシュボードで確認した値です。同サイトはステーブルコイン(約2,963億ドル)をRWA本体と別建てで集計しています。
内訳で最大のカテゴリはトークン化米国債で、約148億ドル・82銘柄です(2026年6月時点)。代表例であるBlackRockのファンド「BUIDL」は25億ドルを超えています(2026年5月時点)。
トークン化株式の2026年7月の月間出来高は前月比288%増と急拡大しましたが、CoinDeskの集計では増加分の大半がQQQBという1銘柄で、これを除くと約20億ドル=前月から約3割減でした。
検索でよく目にする「2030年に16兆ドル」は、コンサルティング会社BCGが2022年に出した予測値です。現在の実勢とは400倍超の開きがあり、実測と予測の区別がこの分野の数字を読む前提になります。
代表的なRWA銘柄・プロジェクトはどれか
代表格は6つあり、米国債系・株式系・基盤(チェーン)系・ステーブルコイン系に分かれます。同じRWAでも、何をトークン化するかで性格が大きく違います。
| プロジェクト | トークン化する資産 | 特徴 |
|---|---|---|
| Ondo Finance | 米国債・株式 | OUSG/USDYの合計が14億ドル超(2026年)。株式部門Ondo Stocksは預かり資産10億ドル超(2026年7月時点) |
| BlackRock BUIDL | 米国債ファンド | BlackRockが運用するトークン化国債ファンド。発行は米Securitizeが担う |
| xStocks | 株式 | 実株1:1の裏付けを持つトークン化株式をSolanaのDeFiで流通させる |
| Plume | 基盤(L1チェーン) | RWAの発行・取引・DeFiでの利用を1つのチェーンで完結させる特化基盤 |
| Usual | ステーブルコイン | 米国債系RWAを裏付けにし、その利回りを保有者へ再分配する設計 |
| Centrifuge | 企業向け貸付 | プライベートクレジット(企業向け貸付)のトークン化を最初期から手がける草分け |
この6つ以外も含めた銘柄一覧や時価総額ランキングは、rwa.xyzや仮想通貨データサイトCoinGeckoのRWAカテゴリで確認できます。
このうちPlume・xStocks・Usualは、CandyDropsの個別記事で仕組みから触り方までを解説しています。
Ondoのトークン化株を担保に、株式の無期限先物(perp)を取引できるOndo Perpsはその代表例です。
RWAを買う前に確認すべき危険性
裏付けの構造・流動性の偏り・数字の見せ方の3つが、この分野で読者が実際に損をしやすいポイントです。
実物は誰が保管しているのか
トークンを持つことと、実物の権利が守られることは別の問題です。裏付けの示し方はプロジェクトごとに違い、xStocksは実株1:1の裏付けを明示しています。
Ondoは2026年7月、裏付け株式の保管を独立した第三者カストディアン(保管機関)へ分けるSEC(米証券取引委員会)準拠モデルを初めて実装しました。
「初めて」ということは、保管と発行の分離がまだ先進事例の段階だということでもあります。発行体に問題が起きたとき誰へ何を請求できるかはトークンごとに設計が違うため、買う前に確認する価値が最も高いのはこの点です。
売りたいときに売れるのか
7月の出来高急増が実質1銘柄に集中していたように、RWAの流動性は銘柄ごとの偏りが大きい市場です。板の薄いトークンは値が付いていても希望する量を売れないことがあり、24時間取引できることと、いつでも換金できることは同じではありません。
その数字は実測なのか
プロジェクトの紹介資料は大きい数字を引きがちなので、出典がrwa.xyzのような実測系の集計か、将来予測かを見分けるだけで期待値のズレをかなり防げます。
日本のセキュリティトークンとRWAはどう違うか
日本で「デジタル証券」として売られるセキュリティトークン(ST)は金融商品取引法上の規制商品で、海外中心のパブリックチェーンRWAとは法律も買い方も別の市場です。
制度の起点は2020年5月1日に施行された改正金商法で、「電子記録移転権利」という定義によりSTは証券会社経由で販売される金融商品になりました。自主規制は日本STO協会が担っています。
| 項目 | 国内STの現在地 |
|---|---|
| 累計発行額 | 約3,552億円・84件(2026年2月時点・デジタル証券基盤Progmatの集計) |
| 中心商品 | 不動産の小口化商品 |
| 二次流通 | 大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)の私設取引システム「START」(2023年12月開業・2025年12月時点で7銘柄) |
つまり日本の個人の入口は2つに分かれます。ALTERNAや大和証券などが円建てで販売する国内STと、海外DeFiを自分で使うパブリックチェーンRWAです。
BUIDLやOUSGのようなトークンは国内暗号資産取引所での取扱いが限定的なため、後者は現状、規制も税務も自己責任の領域になります(2026年2月時点)。
RWAのよくある質問(FAQ)
RWAとNFTの違いは何ですか?
どちらもブロックチェーン上のトークンですが、指すものが違います。NFTは一点物のデジタルデータの固有性を証明する仕組みです。
一方RWAは、国債ファンドの持分のように同じ価値のトークンを大量に発行して現実資産への権利を表す形が主流で、1枚ごとに中身が違うNFTとは方向が逆です。
銀行の決算に出てくる「RWA」と同じものですか?
別物です。銀行規制のRWAは「リスク加重資産(Risk Weighted Assets)」の略で、自己資本比率を計算するための会計上の数値です。
本記事のリアルワールドアセットとは頭文字が同じだけで、投資対象でもトークンでもありません。
トークン化株式は日本からどうやって買うのですか?
2026年時点で、国内の証券会社や暗号資産取引所を通じた購入経路はごく限られています。xStocksのようにSolanaのDeFiで流通するトークンを海外サービス経由で扱うのが中心で、規制・税務は自己責任です。
まとめ
RWAは、米国債や株式など現実資産への権利をトークン化し、24時間・小口・オンチェーン決済で動かせるようにする仕組みです。その数字は「実測か予測か」「ステーブルコインを含むか」「実物を誰が保管しているか」の3点で信頼度が決まります。
日本の個人にとっては、目の前の商品が証券会社経由の国内STか、海外DeFiのパブリックチェーンRWAかという入口の区別が、規制も税務も分ける最初の分岐点です。
→ RWA銘柄をDeFiで取引できるOstiumの解説を読む → RWA特化チェーンPharosのエアドロ参加方法を見る
出典
- rwa.xyz(2026年)— https://app.rwa.xyz/
- MetaMask(2026年)— https://metamask.io/news/types-of-tokenized-real-world-assets-rwa-categories
- Spoted Crypto(2026年)— https://www.spotedcrypto.com/rwa-tokenization-market-size-2026-guide/
- CoinDesk(2026年)— https://www.coindesk.com/markets/2026/08/01/tokenized-stock-trading-surged-288-in-july-but-one-qqq-token-drove-most-of-it
- CoinDesk(2026年)— https://www.coindesk.com/business/2026/07/01/ondo-finance-debuts-sec-aligned-tokenized-stock-model-with-blackrock-etf-micron-shares
- Cointelegraph(2026年)— https://cointelegraph.com/news/bybit-tokenized-stocks-collateral-margin-loans
- Genfinity(2026年)— https://genfinity.io/2026/07/13/ondo-global-markets-becomes-ondo-stocks-tokenized-equities-leader/
- Centrifuge(2021年)— https://medium.com/centrifuge/defi-2-0-first-real-world-loan-is-financed-on-maker-fbe24675428f
- Finextra(2026年)— https://www.finextra.com/blogposting/31421/real-world-asset-rwa-tokenization-in-2026-market-growth-trends-amp-opportunities
- BUSINESS LAWYERS(2020年)— https://www.businesslawyers.jp/articles/783
- Progmat(2026年)— https://progmat.co.jp/【定期更新】デジタル証券市場のファクトデータ/
- PR TIMES(2025年)— https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000081154.html
- netsujo.jp(2026年)— https://netsujo.jp/blog/rwa-guide
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