MegaMafia終了|MegaETH参加20社の現在地

目次

MegaETHの育成プログラム「MegaMafia」は、2026年7月16日に終了しました。2年で2期、約20社を送り出したプログラムを畳むにあたって、コアチームのShuyao Kong氏は「価値のほとんどはMegaに落ちてこなかった」と書いています。

この記事は、そのMegaMafiaに参加していたプロジェクトが2026年8月時点でどこにいるのかを追った台帳です。

判断の中心は、看板の継続と稼働の継続がずれている点にあります。プログラムの名前で括られた顔ぶれは今も検索に残りますが、置き場所はもうMegaETHの上とは限りません。

最大の留意点は、移籍や停止を伝える報道と各社の公式サイトの現況が、少なくとも一部で食い違っていることです。

MegaMafiaは2026年7月に終了しました

MegaMafiaはMegaETHが運営していた開発者育成プログラムで、2期にわたり約20チームを採択しました。採択企業が調達した金額は合計で約8,000万ドル、プレシードからシリーズAまでの合算です。

終了はコアチームのShuyao Kong氏がXで告知し、MegaMafia 3.0を実施しないことも同時に示されました。

Kong氏の総括は、成功と失敗を同じ文の中に置いています。「多くの意味でMega Mafiaはこのサイクル最高のインキュベーターだった。だが、その価値のほとんどはMegaに落ちてこなかった」。

続けて「それらのアプリケーションの大半は、もう我々とともに開発していない」とも述べました。

この結果を生んだ設計上の選択がひとつあります。MegaETHは採択企業の株式もガバナンス上の持分も取りませんでした

長期的な方向性への本心からの共感を育てたい、というのがその理由です。

持分を取らなければ、育った先が別のチェーンを選んでも引き留める仕組みは残りません。Kong氏の言う「前提が成り立たなくなった」は、この設計の帰結を指しています。

参加プロジェクトはいまどこにいるのか

現在地は四つに分かれます。他チェーンへ移籍したもの、MegaETH上で動いているもの、トークンを発行済みのもの、そして今回の調査では状態を確認できなかったものです。

プロジェクト現在地根拠
GTE移籍(自社チェーン)第1期修了後に独立チェーンを構築、累計2,500万ドル調達
Noise移籍(Base)Paradigmリードの710万ドル調達後にBaseでローンチ
HelloTrade移籍(Monad)旧ドメインは売却物件ページを表示
Capトークン発行済みMegaETH上でローンチ後、複数チェーンへ展開
EuphoriaMegaETH上で稼働シード750万ドル調達済み、独自トークンは未発行
Nectar AIMegaETH上で稼働公式サイト稼働、第1回KPI通過10件のひとつ
ShowdownTCGMegaETH上で稼働公式サイト稼働、第1回KPI通過10件のひとつ
AweMegaETH上で稼働公式サイト稼働
Funes WorldMegaETH上で稼働公式サイト稼働
Hop NetworkMegaETH上で稼働公式サイト稼働
KumbayaMegaETH上で稼働公式サイト稼働
Avon報道と現況が不一致停止と報じられた一方、公式サイトは稼働
Valhalla確認できず停止と報じられ、公式サイトへ到達できない
Teko Finance確認できず応答はあるが中身が表示されない
Biomes確認できず公式ドメインを特定できず
Lemonade確認できず公式ドメインを特定できず
Pump Party確認できず公式ドメインを特定できず
公式サイトの死活は2026年8月6日に確認しました。対象は上表17件の公式ドメインで、ブラウザと同じUser-Agentを付けたHTTP GETの応答コードと表示内容を記録しています。Cloudflareが返す403応答は稼働中として扱いました。

移籍組で最も規模が大きいのがGTEです。第1期を終えたあと自社の独立チェーンを構築し、複数ラウンドで累計2,500万ドルを集めました。

オーダーブックとAMMを組み合わせた設計でHyperliquidに対抗する速度を狙う、というのが当初からの位置づけです。

出典: GTE公式サイト(2026年8月6日取得)

Noiseは2026年1月にParadigmがリードした710万ドルのシードを終えたのち、MegaETHではなくBaseでローンチしました。

HelloTradeはMonadへ移っています。旧ドメインのhellotrade.xyzは、2026年8月6日時点でドメイン売却の案内ページを表示します。

ここから先は、報道と実物が噛み合わない領域です。The Blockは、AvonとValhallaが停止したとみられると伝えました。

ところが公式サイトの応答は二社で分かれます。Avonのavon.xyzは通常どおり表示され、MegaETH上のオーダーブック型レンディングとして製品説明もドキュメントも並んでいます。

出典: Avon公式サイト(2026年8月6日取得)

一方のValhallaは、valhalla.exchangeが支払いを求めるHTTP 402を返し、ページに到達できません。公式の停止告知そのものは確認できませんでした。

MegaETH上でネイティブに動く無期限先物取引所として開発されていたプロジェクトです。

同じ括りで語られた二社が、一方は動き、一方は到達できない。台帳を作る側から見ると、この差は報道の精度というより、プログラムの終了が各社の公式発表を伴わずに進んだことの反映に見えます。

Teko Financeは応答自体はありますが、ページの中身が表示されません。Biomes、Lemonade、Pump Partyは公式ドメインを特定できず、いずれも稼働とも停止とも書けない状態です。

いま報酬が動いているのはどれか

旧MegaMafia銘柄のうち、2026年8月時点で受け取りの期限が切られている報酬はCapのものだけです。

プログラムもらえるもの条件・期限
Cap「Homestead Stabledrop」$CAP(ベスティングなし)Pendleで対応するPTを持たずYTを保有し損失を出した人が対象。2026年11月1日まで

Capは私募クレジット型のステーブルコイン基盤で、$CAPの配布はすでに始まりました。ポイント制度そのものは2026年7月23日で締め切られ、新しいシーズンの告知は出ていません。

つまりこれは積み上げる対象ではなく、対象者が取りに行くだけの受け取りです。

素のcUSD保有者と流動性提供者は原則として対象外で、最終的な規模は事前の期待より小さくなったと配信元は伝えています。

Euphoriaは独自トークンを発行していない数少ない一社で、シーズン1のキャンペーンは2026年6月23日に幕を閉じました。次のシーズンについて公表されたものはありません。

MegaETH本体のポイント制度だったTerminalは、予定より1か月早い2026年5月21日に打ち切られています。当初の終了予定は6月23日でした。

精算は同社の利回り付きステーブルコインUSDMで行われ、機能はRabbitholeへ統合されたと報じられています。

ポイントを積んでいた側から見ると、期限を前提に組んだ計画が運営判断で先に閉じた形です。

MegaETH公式サイトで現在のエコシステムを確認する

MegaETH本体は自社アプリへ舵を切った

MegaMafia 3.0の代わりにMegaETHが選んだのは、外部の新興企業を支援する形をやめ、自社で消費者向けアプリを作る方針です。

社内では「OMEGA」と呼ばれ、MegaETHの実行環境でしか成立しないアプリを指します。

トークン面の状況も、旧記事が書かれた頃とは変わりました。MEGAは2026年4月30日に、指標の達成を引き金とする方式で発行されています。

同じ日に0.2177ドルの最高値をつけたあと、2026年8月6日時点では0.0353ドルまで下げました。最高値からは83.8%低い水準です。

総供給100億枚に対して、流通しているのは約11億枚にとどまります。

公式ポータルのRabbitholeは、累計トランザクション数と現在の処理性能を常時表示しています。

出典: MegaETH公式Rabbithole(2026年8月6日取得)

2026年8月6日の表示は毎秒25件で、累計は118億件を超えていました。10万件超という公称性能は設計上の目標値であり、実測の需要とは別物です。

この価格推移そのものが、旧MegaMafia銘柄を追うかどうかを決めるわけではありません。効いてくるのは、プログラムの終了とTerminalの打ち切りとMEGAの下落が、いずれも2026年の同じ数か月に重なっているという並びのほうです。

ステーブルコインUSDmがEthenaのホワイトラベルとして提供されている点など、外部プロトコルとの接続は続いています。チェーンそのものが止まったわけではありません。

MegaETHの基本情報と最新状況を確認する

編集部の見解

持分を取らない育成は、参加する側にとっては条件が良く、育てる側にとっては回収手段が残らない取引でした。MegaETHはそれを本心からの共感を得るためだと説明しましたが、共感は移籍を止めません。

実際にGTEは自社チェーンへ、NoiseはBaseへ移りました。育成が成功したことと、育てた側にその果実が戻ることは別問題だと、Kong氏の総括はそのまま認めています。

もうひとつ、読者の手元でより効く軸があります。看板が残っていることと、いま動いていることは違います。

今回の17件のうち、公式サイトが製品ページとして開いたのは8件でした。残る5件は、サイトそのものが応答しないか、開いても製品の中身が現れません。

報道が停止と伝えたAvonが動き、同じ括りのValhallaが402を返す。この不揃いは、プログラムの終了が各社の公式告知を伴わないまま進んだことの表れです。

だとすれば、旧一覧記事の並びを信じて個別の稼働を推し量る使い方は成り立ちません。公式サイトが今日開くか、期限のある受け取りが残っているか、という当日の確認のほうが判断に効きます。

期限が切られている報酬はCapのStabledropだけで、それも対象がPendleでYTを保有して損失を出した層に限られます。積み上げる対象は、旧MegaMafia銘柄の側にはもう残っていません。

掲載されていることと稼働していることを分けて読む作業は、Robinhood Chainのエコシステム記事でも同じやり方で扱っています。

まとめ

MegaMafiaを畳んだ側が「価値のほとんどはMegaに落ちてこなかった」と認めた以上、この一覧は将来の機会の目録ではなく、終わった育成の記録として読むのが実態に合います。

参加社を追うかどうかは、名前が残っているかではなく、公式サイトが今日開くか・期限のある受け取りが残っているかで決まります。

Valhallaのように公式の告知がないまま到達できなくなる例がある以上、次に確かめるべきなのは各社の公式Xが最後に動いた日付でしょう。

出典

  1. The Block(2026年)
  2. crypto.news(2026年)
  3. CoinGecko(2026年)
  4. Crypto Briefing(2026年)
  5. The Block(2025年)
  6. Today in DeFi(2026年)

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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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