ponsとは|Robinhood Chainのローンチパッドと手数料の実測

目次

pons(ポンス)は、Robinhood Chain上で誰でもトークンを発行し、そのまま売買できるウェブサービスです。運営はPons Labs, LLC。口座開設も本人確認も不要で、ウォレットをつなぐだけで使えます。

2026年9月7日(UTC)の1日だけで27,479件のトークンが発行され、6億2,614万ドルが取引されました。ただし発行画面に出ている取引手数料1.00%は最低ラインで、銘柄ごとに上乗せできる枠がコントラクトに用意されています。

ponsはRobinhood Chainで何をする場所か

できることは3つです。作られた銘柄を買う、自分でトークンを作る、自分の銘柄に溜まった手数料を引き出す。順にExplore・Create・Profileの画面です。

項目内容
チェーンRobinhood Chain(chainId 4663)
カテゴリトークン発行・取引インターフェース(ローンチパッド)
運営Pons Labs, LLC。開発は匿名のOzzy(X: @MEADGod)
ステージ稼働中(2026年7月13日に公開・v2は同年8月4日から)
トークンPONS(0x39dBED3a2bd333467115dE45665cC57F813C4571)
必要なものRobinhood ChainのETHとウォレット。18歳以上
資金調達未確認(調達記録は公開されていない)

※本記事の数値は、2026年9月8日に編集部が公式APIと公開RPCで確認したものです。

ponsが動き出したのはチェーンが開いた12日後です。Robinhood Chainの成り立ちは別記事にまとめました。

画像:pons公式トップのスクリーンショット(2026年9月8日撮影)

表に出ている作り手は匿名のビルダー1人だけです。Ozzy(X: @MEADGod)と名乗り、氏名も所在地もチーム規模も公開していません。動機について複数の媒体が伝える文言は一つだけで、「既存のローンチパッドはコミュニティの面倒を見ずに手数料を抜いていた」というものです。2025年5月にBerachainの公式フォーラムで貸借プロトコルRootsFiを提案した記録は残っています。

トークンが生まれて卒業するまでに起きること

発行した銘柄は、最初から板に載るわけではありません。供給はまずボンディングカーブに置かれ、買われるほど価格が上がります。

作成時に決めるのが「対価の資産」です。公式ドキュメントによれば、価格も卒業の判定も発行者への支払いも、最後まで作成時に選んだ資産のままで、途中でETHへ両替する処理は入りません。

カーブが規定額を集め切ると、銘柄は自動的に卒業します。既定のしきい値は4.2 ETHで、対価が別の資産ならその資産で測ります。編集部が確認した稼働中の銘柄は、しきい値が72.2 SPCXでした。

卒業すると、集まった資金と残りのトークンでUniswap v4のプールが作られ、流動性は引き出せない形でロックされます。プール自体は無手数料で、代わりにhookという付属プログラムが売買ごとに手数料を取ります。

対価に株トークンを選べると何が変わるか

SPCXは、SpaceXの株式をRobinhoodがトークン化したものです。ponsではSpaceX株建てのミームコインが実際に動いています。

pump.funはSOL建て、Uniswap Labsが同じチェーンに出したPools.tradeは基軸通貨建てで、どちらも対価は固定です。ponsは株トークンをそのまま対価にできるため、いったん売って基軸通貨に替える手順が要りません。

公式の集計画面では、買い戻し待ちの資金が30種類の対価資産に分かれ、GME・DJT・NVDAなどの株トークンも並びます。

画像:pons公式アナリティクスのスクリーンショット(2026年9月8日撮影)

対価に選べるのはponsが承認した銘柄だけです。承認がなければ、無価値な自作トークンを対価にして価格をいくらでも作れるためです。

発行と取引で実際に引かれる金額

1つ作るのにかかるのは0.0005 ETHとガス代だけです。審査はなく、フォームを埋めて取引を1回送れば発行できます。

何に対していくら補足
発行0.0005 ETHlaunchFee()の返り値。別途ガス代
取引の基本料1.00%対価の資産側でのみ引かれる
発行者の上乗せ0〜10.00%作成時に固定・後から引き上げ不可
発行直後の買い99%から減衰売りには課されない。減衰時間はdocs 5秒・発行画面3秒で食い違う
卒業後のプール0%hookが基本料を引き継ぐ

どの解説にも出てくる「取引手数料1.00%」は、この基本料だけを指します。コントラクトのmaxCreatorTaxBpsは1000で、発行者は10.00%まで上乗せできます。GitHubのコントラクト説明では基本料側も10%まで上げられ、合計20%が上限です。

上乗せ幅は銘柄ごとに違います。しかも発行画面の文言(Traders pay 1.00% in total, up to 10% of it yours)とドキュメントの計算式では読み方が食い違います。公式の表記だけでは確定できないので、買う前にその銘柄のcreatorTaxBpsを確認するのが確実です。

発行者とホルダーが受け取れる報酬

プログラムもらえるもの条件・期限
発行者への手数料還元その銘柄の対価資産(ETH・株トークンなど)自分で発行した銘柄。期限の定めなし
Holder fee sharing同じ資産を保有量に応じて按分有効化された銘柄のホルダー。既定はオフ
v2の銘柄別バイバックその銘柄のトークン発行者が有効にした銘柄。5年で線形に受け取り

3つともpons自身の仕組みで、取引所の販促キャンペーンとは別物です。pons独自のエアドロやポイント制度は2026年9月8日時点でありません。

累計の発行者報酬は7,836万ドルです。ただし自動送金ではなく、Profile画面から対価資産ごとに引き出す方式です。引き出すまで残高が0に見えることがあると、ドキュメントも認めています。

プロトコルの取り分と$PONSの買い戻し

基本料はまずプロトコルが30%を取ります。買い戻しが有効な銘柄では、残りの50%がそちらへ回ります。最後に残った分と上乗せ分の全額が発行者に入ります。

項目内容
ティッカーPONS(Robinhood Chain)
総供給量10億枚
主な用途プロトコル手数料の80%を原資にした買い戻しと焼却の対象
焼却済み300,053,101枚(総供給の30.01%)

$PONS自体がponsのレガシーファクトリから出た銘柄です。プリセールもチーム枠もエアドロ枠もなく、配分表そのものがありません。プロトコルは取り分の80%を自動の分割買いに使い、PONSを買い戻して焼却用アドレスへ送ります。

ただしドキュメントは、この運用が変わりうることも、焼却が値上がりを保証しないことも自分で書いています。収益への請求権も投票権もなく、保有者は法的な契約の当事者でもありません。

画像:$PONS銘柄ページのスクリーンショット(2026年9月8日撮影)

なお公式APIのmarketCapUsdは価格に総供給を掛けただけの値で、焼却分が引かれていません。公式トップが並記する時価総額より約1.4倍大きく、そのままでは過大です。

👉 銘柄ごとの上乗せ手数料と卒業までの残りを公式で確認する

触る前に確認したい危険性

公式が「v2は未監査として扱え」と書いている

v2のコントラクトはSB Security・Dingbats・Pashov Audit Groupの3社が監査中です。ただしドキュメントには「完了した監査はない。レポートが公開されるまでv2は未監査として扱うこと」と書かれています。外部の検証はまだ1本も終わっていません。

ガス補助はponsの発行と売買には及ばない

Robinhood Chainのガス補助は2026年9月29日23時59分(米東部時間)に終わりますが、対象はRobinhood Walletアプリ内のスワップに限られます。ponsの発行と売買はdappブラウザ経由で最初から補助の外にあり、ここまでの数字はガス代が無料だから出たものではありません。

規格どおりのトークンが大量に作られ、同じパターンで売買されている点には、botの関与を指摘する第三者分析もあります。発行件数をそのまま参加者の数と読むのは危険です。

偽サイトと同名トークンが実在する

正しいドメインはponsfamily.comとドキュメントのdocs.ponsfamily.comだけです。ponsfamily.promoは2026年9月4日にPhishDestroyのブロックリストへ追加され、ponsfamily.netやponslaunchpad.comも別サイトとして動いています。CoinMarketCapのWebsite欄が指すpons.familyはDNS未登録で、集約サイト経由でたどると存在しないドメインへ飛ばされます。

トークン名も同じです。CoinGeckoにはPons Index(PONSFOLIO)、Solanaには同名の別トークンがあります。ドキュメント自身も「名前もシンボルも複製できる。必ずアドレスを確認せよ」と書いています。

発行数は見る場所ごとに食い違う

卒業まで届く銘柄はごく一部で、卒業済みタブの表示は925件でした。

表示している場所累計の発行数
公式アナリティクスAPI583,523件
発行一覧APIのヘッダ88,841件

いずれもサイト全体に「バックエンド更新中で表示が遅れることがある」というバナーが出ていた時期の値です。公式APIを分母にすれば卒業率は0.16%ですが、引用するなら分母の出所も添える必要があります。

日本は禁止地域に挙げられていないだけ

利用規約(2026年7月16日発効)の第3条が挙げる使えない地域には、キューバ・イラン・北朝鮮に加えて英国とEU加盟国すべてが入っています。日本の名前はこの一覧にありません。

ただし規約は同時に、自国の法律で適法であることを利用者本人に表明させています。

編集部は手数料首位をどう読むか

手数料でpump.funを上回ったという報道は、公式の集計とも桁が合っています。同じチェーンには取引0.25%・ローンチ無料のPools.tradeもありますが、2026年8月31日の日次手数料はPools.trade 3万8,553ドル、pons 489万ドルでした。安いほうへ人が動かなかったのは、対価に株トークンを選べる設計が効いているからだと編集部は読んでいます。対価固定の競合を出したUniswap Labs自身も、4週間後に「長期的な協調」としてPONSを買っています。

累計のプロトコル収入は2,268万ドルで、手数料が実際の収入として積み上がっていることは疑いにくくなっています。卒業まで届く銘柄が1%に満たないのも、発行の摩擦がそれだけ低いことの裏返しです。ガス補助が切れてチェーン全体の活動が細ったとき、この出来高が残るかはまだ誰も見ていません。

ponsで発行と購入を試す手順

まずRobinhood Chainに接続できるウォレットと、ガス代のETHを用意します。

  1. ウォレットにRobinhood Chain(chainId 4663)を追加し、ETHを少額入れる。
  2. ponsfamily.comを開き、アドレスバーの綴りをここで確認する。
  3. 買う場合はExploreから銘柄を選び、取引画面で数量を指定する。対価が株トークンの銘柄では、先にそのERC-20の承認取引が必要になる。
  4. 発行する場合はCreateへ進み、名前・ティッカー・画像・対価の資産・上乗せ手数料を入力する。上乗せは後から引き上げられないので、ここで決め切る。
  5. 取り分を全ホルダーへ分けたい場合は、作成画面のAdvancedでHolder fee sharingを有効にする。
  6. 発行後はProfile画面で、対価資産ごとに溜まった取り分を引き出す。

画像:pons発行フォームのスクリーンショット(2026年9月8日撮影)

放置された銘柄の受け取り先をコミュニティへ移す窓口もありますが、運営の審査が要ります。

👉 発行フォームの入力項目と現在の設定を公式で確認する

まとめ

ponsは、対価に株トークンを選べる発行所としてRobinhood Chainの出来高を集めています。ただし外部監査は1本も完了しておらず、表示の1.00%には銘柄ごとの上乗せが乗ります。次に確かめられるのは、ガス補助が切れる2026年9月29日を挟んで発行数と出来高がどう動くかです。

出典

  1. pons公式サイト(2026年)
  2. pons公式ドキュメント(2026年)
  3. pons公式docs v2(2026年)
  4. pons利用規約(2026年)
  5. pons公式API(2026年)
  6. Robinhood Chain RPC(2026年)
  7. GitHub・ponsfamily(2026年)
  8. The Defiant(2026年)
  9. crypto.news(2026年)
  10. crypto.news(2026年)
  11. PhishDestroy(2026年)
  12. CoinGecko(2026年)

免責事項

  • 本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
  • 本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。
  • 本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

DeFiブロックチェーン技術仮想通貨市場分析Web3プロダクト