TxFlow L1とは|エアドロップ未確定のperp DEXを実測で確かめる
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- カテゴリ

目次
TxFlowのアプリを開くと、オーダーブック(板)に並ぶ注文の横で、ブロック番号が1秒間に約18というスピードで進んでいきます。発注から取消に至るまですべての操作が1件ずつトランザクションとしてブロックチェーンに刻まれる、独自チェーン上で稼働する無期限先物(Perp)取引所です。
メインネットを利用するにはアクセスコード(Access Code)が必要であり、日本の暗号資産コミュニティでも「エアドロップ候補」として名前が挙がりはじめました。
ただし、実際に利用を検討する上で重視すべきなのは、将来のトークン配布への過度な期待ではなく実際の「採算」です。公式リリースやドキュメントのどこにもトークン配布に関する告知はなく、現時点で確定して受け取れるのは、手数料の払い戻し(リベート)と少額のUSDC報酬にとどまっています。
TxFlow L1とは|自前チェーンで動く板取引所
TxFlowは、注文の発注・取消・約定・清算といったすべての処理を独自ブロックチェーン上で実行する無期限先物取引所です。2026年3月28日にメインネットの稼働と同時に公開され、現在も利用にはアクセスコードが必要です。
アクセスコード「TXCRYPTOTIMES」
画像:TxFlow公式プレスリリース(GlobeNewswire)より(2026年8月3日取得)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| チェーン | TxFlow L1(入金はArbitrumなど9チェーンから可能) |
| カテゴリ | Perp DEX・現物(スポット)・予測市場を展開するL1 |
| ステージ | メインネット稼働中・招待制 |
| 資金調達 | 公表なし(第三者データベースにも記録なし) |
| トークン | 未発行(2026年8月4日時点) |
開発チームは、自社で「Channel」と呼ぶ基盤レイヤーの上に各プロダクトを載せる設計だと説明しています。ユーザーが実際に利用できる主要機能は以下の5つです。
| 製品 | 何ができるか | 読者との接点 |
|---|---|---|
| TxFlow DEX(Perps) | 無期限先物の板取引。仮想通貨だけでなく株価や商品連動銘柄も取扱う | ウォレット未接続でも板の閲覧が可能 |
| TxFlow Spot | 現物の板取引(Perpとは別手数料率) | Fee Creditsは利用不可 |
| Protocol Vault/User Vault | 流動性提供や戦略運用のための金庫(ボルト) | 一覧ページで預かり残高と利回りを閲覧可能 |
| Explorer(アプリ内) | ブロック生成やトランザクションの追跡 | 板の注文や約定がチェーンに記録される様子を確認可能 |
| Rewards Hub/Fee Credits Center | 報酬タスクや各種クレジットの管理 | キャンペーン報酬の入口 |
TxFlowの手数料と報酬|払う額と、戻る額
料率は7段階、一般的な個人ユーザーは「VIP 0」
無期限先物(Perp)の手数料率はVIP 0でメイカー0.0150%・テイカー0.0450%、現物取引は0.0400%・0.0700%に設定されています。いずれも新規建玉時と決済時の両方で発生します。
| VIPティア | 直近14日の合算出来高 | Perp メイカー/テイカー |
|---|---|---|
| VIP 0 | 500万ドル未満 | 0.0150%/0.0450% |
| VIP 1 | 500万ドル以上 | 0.0120%/0.0400% |
| VIP 2 | 2,500万ドル以上 | 0.0080%/0.0350% |
| VIP 3 | 1億ドル以上 | 0.0040%/0.0300% |
| VIP 4 | 5億ドル以上 | 0.0000%/0.0280% |
| VIP 5 | 10億ドル以上 | 0.0000%/0.0260% |
| VIP 6 | 20億ドル以上 | 0.0000%/0.0240% |
現物取引も同様のティア設計で料率が下がり、最上位ティアではメイカー0.0000%・テイカー0.0250%となります。ティアの判定はPerpと現物の合算出来高で行われますが、1ランク上げるだけでも14日間に500万ドルの取引量が必要となるため、一般的な個人ユーザーは「VIP 0」の適用になると考えてよいでしょう。
最大レバレッジは50倍、オーダーブック上のスプレッドは0.2ドル(0.0003%)程度で推移しています。レバレッジを50倍に設定した場合、価格が反対方向に2%動くだけで証拠金と同額の含み損が発生するため、手数料率よりもレバレッジ管理や価格変動リスクの方がはるかに大きく影響します。
画像:TxFlowアプリ(Perps取引画面)のスクリーンショット(2026年8月4日撮影)
入出金時の実費や仕様に関しては、公式ドキュメントより実際の稼働APIの方が正確な値を示しています。USDCは入金・出金ともに1 USDCの手数料がかかり、最小額は3 USDC、上限額は50万USDCで全対応チェーン共通です。例えばArbitrumからの入金時は、約17分(500ブロック確認)で反映されます。
編集部の実測: 2026年8月4日、公開ブリッジAPIの対応ネットワーク一覧を認証なしで取得し、9チェーン・14経路における手数料・最小/最大額・ブロック確認数・所要時間を読み取った実測値です。実際の着金時間はネットワークの混雑状況により前後します。
開催中のキャンペーンでいくら戻るのか
| プログラム | もらえるもの | 条件・期限 |
|---|---|---|
| Volume Surge(自社) | 10〜100分のFee Credits または USDC | 純入金1,000ドル以上+テイカー出来高20万ドル以上で上位500名(2026年8月6日まで) |
| 新規ユーザー特典(自社) | 50ドル分のFee Credits | 純入金1,000ドル・3日連続の取引・テイカー累計3万ドル(登録から7日間) |
| Fee Credits(自社) | Perp手数料の払い戻し | 残高があれば自動適用。キャンペーン配布分は14日で失効。プログラム自体の終了期限はなし |
| 紹介プログラム(自社) | 紹介者に手数料の10%、招待された側に5%割引 | コード作成に累計出来高の条件あり。終了期限なし |
| アフィリエイト(自社) | 3階層の差額コミッション | 申請制(SNSフォロワー5,000人以上など)。終了期限なし |
「Fee Credits」は1クレジットあたり手数料1ドル分の支払いに充当できますが、現金のように外部へ引き出すことはできません。開催中の「Volume Surge」キャンペーンを例にとると、テイカー出来高20万ドルを達成して得られる報酬は10 Fee Credits(=10ドル分)です。
VIP 0の料率の場合、出来高20万ドルに対して約90ドルの支払手数料が発生するため、還元率は実質約9分の1にとどまります。なお、自己売買やメイカー出来高、Fee Creditsを充当して支払った手数料分はキャンペーンの達成要件にカウントされません。
画像:TxFlowアプリ(Volume Surgeキャンペーン)のスクリーンショット(2026年8月4日撮影)
個別のコンペティションは1週間ほどのサイクルで入れ替わります。単発の金額そのものよりも、2026年7月以降4つのキャンペーンがほぼ切れ目なく常設のように連続しているのが実態です。
エアドロップの告知は出ているのか
公式サイトやドキュメント、アプリ内の報酬画面、公式Xのいずれを確認しても、将来のトークン配布やエアドロップを明記した記載は見つかりません。また、報酬画面にもエアドロップ用のポイント残高や進捗状況を表す表示は用意されていません。
板の実体|158銘柄の内訳と約定の担い手
ブロックは約53.61ミリ秒に1回のペースで生成されており、公式が謳う「50ミリ秒未満」という性能とほぼ一致しています。エクスプローラ上では発注(Place Order)と取消(Cancel Order)がトランザクションとしてリアルタイムに流れており、オーダーブックの動きがブロックチェーン上に記録されている様子を誰でも確認できます。
取扱銘柄は、無期限先物が158銘柄、現物が9銘柄と、ローンチ初期の13銘柄から4ヶ月で大幅に増加しました。しかし、全銘柄を合計した建玉(オープンインタレスト)は約1,326万ドル、1銘柄あたりの中央値は7,801ドルにとどまっており、全体の59.1%をBTCとETHの2銘柄が占めています。
さらに約定の取引主体を詳しく調べると、アクティブな102アドレスのうち、上位4アドレスのみで全約定の92.4%を占めていました。別の日時に実施した3回の計測でも、このトップ層の占有率は78〜93%の範囲で推移しています。
このように約定の大半を特定の少数アドレスが作り出している現状では、板の出来高が多様なユーザーの自然な売買を反映しているとは言い難い状況です。
「Vault(金庫)」も同様の構図を見せています。預かり残高の合計約663万ドルのうち、99.86%は運営チーム自身の「Protocol Vault」で構成されています。
個人ユーザーが作成したVault 9件の合計額は約9,000ドルにすぎず、そのうち5件は利回り0%のままほぼ休眠状態になっています。
画像:TxFlowアプリ(Vaults)のスクリーンショット(2026年8月4日撮影)
編集部の実測: 2026年8月4日、公式WebSocketに認証なしで接続し、ブロック番号を61秒間受信して生成間隔を計測したほか、全銘柄の建玉と主要7銘柄の直近約定2,116件(銘柄ごとに直近300件の断面)を集計しました。
集計元の手法は異なりますが、同日の Hyperliquid の建玉が約106億ドル、Lighter が約8.6億ドル規模であることと比べると、TxFlowの建玉はHyperliquidの約800分の1、Lighterの約65分の1という小規模な水準にとどまります。主要なPerp DEX と比較しても、まだ流動性が発展途上であることがわかります。
TxFlowを使う前に確認すべき危険性
運営の実体はどこまで追えるのか
現在公表されているメンバー情報は、公式動画で共同創業者としてクレジットされた「Harry」という表示名と、広報窓口の担当者名のみです。実名や詳細な経歴、オフィス所在地などの公開はなく、利用規約上にも運営法人の社名記載が見当たりません。
唯一、アプリストアの提供者欄で「TxFlow Labs Ltd」という法人名が確認できます。なお、利用規約上の紛争解決機関は「香港国際仲裁センター(HKIAC)」による仲裁と定められています。
チェーンを動かしているのは誰か
運営チームは2026年7月29日、公式Xでの発信において、現在稼働しているすべてのバリデータを自社で運用し、プロジェクトの財務資金も管理していると明言しました。将来的には外部開発者へのフルノード開放や、パフォーマンスに応じたバリデータ席の分散化を進めると表明しているものの、具体的な時期については言及されていません。
実際、エクスプローラ上でブロック生成者(Proposer)を4回観測した結果でも、同一の4〜5アドレスからしかブロックが出力されていませんでした。また、スマートコントラクトのセキュリティ監査に関しては、公式ドキュメント上でブリッジのコントラクト1件のみ記載があり、L1ブロックチェーン本体やオーダーブック、Vault機能自体の監査報告は確認できません。
画像:TxFlowアプリ(Explorer)のスクリーンショット(2026年8月4日撮影)
ドキュメントどおりに動くとは限らない
現在の公式ドキュメントの記載内容と実際のシステム実装を比較すると、入金対応チェーン、最低入金額、手数料、着金所要時間、出金上限など計7項目で仕様の不一致が存在します。ドキュメントの記述だけを頼りに送金を進めると、手数料や所要時間の見積もりが実態とずれる可能性があるため注意が必要です。
また、紹介プログラムにおけるコード作成要件もドキュメント内で2つの異なる数字が並んでおり、リベートの付与頻度についても記述が2通りに分かれています。
日本から使えるのか
利用規約(セクション1.3)で定められている利用制限地域には、米国・中国・シンガポール・カナダ・英国ならびに国際制裁対象国が列挙されており、現時点で日本は含まれていません(2026年8月4日時点)。ただし、VPN等を用いた制限地域の回避行為は明文で禁止されています。
さらに、株価指数等連動のデリバティブ銘柄には「一部の管轄区域では利用不可」との注意書きがあるものの、具体的な対象国のリストは明示されていません。なお、TxFlowは日本の金融庁における暗号資産交換業者としての登録はなく、公式上にも登録に関する言及は一切ありません。
TxFlowの期待値は何で決まるか
現時点で確定している利用メリットは、「支払った取引手数料の一部が戻る還元設計」に留まります。しかも、必要な取引出来高に対してリベートとして還元される額は1割前後であるため、レバレッジ50倍の取引で価格が数パーセント変動した際の損益リスクと比べると非常に小さな額です。したがって、報酬目的で無理に出来高を積もうとするほど、取引自体の価格変動リスクにさらされることになります。
独自のオンチェーン・オーダーブックとしての仕組みそのものは、実際に稼働しています。ブロックは日をまたいでも高速かつ安定して生成されており、注文の発注や取消履歴は確かにブロックチェーン上へ記録されています。
問題は、そのシステムやコミュニティの実態がまだ不透明である点です。公式が採用するコンセンサスアルゴリズムについて、2026年8月3日に初めてX上で「取引に最適化したBFT(ビザンチン障害耐性)」と言及したものの、詳細な仕様やオープンソースのコードは公開されていません。
「実際に誰が使っているのか」も不均一です。出来高もVaultの預かり残高も極端に特定のアドレスへ偏っており、トークンが未発行かつエアドロップの公式告知もない中では、見込める価値の根拠は依然として「今後トークンが出るかもしれない」という期待の域を出ていません。
TxFlowの始め方|アクセスコードから入金まで
始めるにあたっての最初のステップは、アクセスコードの取得です。
- アクセスコードをTXCRYPTOTIMESを入力して参加。
- メールアドレス、またはEVM互換ウォレット(MetaMask・Rabbyなど)で公式アプリに接続する
- 画面上の「Enable Trading」で署名を行う(この際ガス代は発生しません)
- USDCを入金する(Arbitrum経由で送金する場合、ネイティブUSDCのみが対象でUSDC.eは利用不可)
- 少額で一度取引を完了させ、実際の取引手数料の引かれ方やスプレッドの開きを自分自身の口座で確認する
- キャンペーン報酬を狙う場合は、事前に「Rewards Hub」で参加登録を済ませてから取引を開始する
👉 TxFlow公式アプリでアクセスコードの要否と入金条件を確認する
まとめ
TxFlowで現在保証されているユーザーへの見返りは、将来のトークン配布(エアドロップ)ではなく、「支払った手数料の一部の払い戻し」および「少額のUSDC報酬」にとどまります。オンチェーンにすべての注文が並ぶ透明性を実際に目で確認できる一方で、その板の流動性を誰が支えているのか、運営の実体が誰であるかという部分は完全には見えてきません。
利用すべきかどうかの判断は、これらの不確実性を理解したうえで、未発表のトークン配布への期待値と実際の取引コスト・リスクのどちらを重くみるかによって変わってきます。
出典
免責事項
- ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
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この記事を監修した人

新井 進悟
株式会社ロクブンノニ 代表取締役
2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。



