Euphoria|MegaETHのタップトレード型のデリバティブ取引アプリ

目次

Euphoriaの取引画面に、板もレバレッジ設定もありません。

価格と時間で区切られたマス目が並び、価格が入ると思うマスをタップすると、その時点で提示されていた倍率をもとに契約が成立します。

1マスの持ち時間は5秒で、その間に価格が一度でも触れれば倍率と賭け金を掛けた額が戻り、触れなければ賭け金は戻りません。

このアプリを触るかどうかの分かれ目は、操作の手軽さではなく、5秒ごとに賭け金がゼロになる設計に自分の資金を置けるかどうかです。

公式は取引手数料をゼロだと明記していますが、運営とマーケットメイカーの取り分は各マスの倍率そのものに埋まっており、料率という形では示されません。

Euphoriaとは|タップで建てる5秒満期の契約

Euphoriaは、MegaETH上で動くタップトレード(Tap Trading)型のモバイル向けデリバティブアプリです。

利用規約はこの商品をBox Contract(箱型の契約)と定義し、選んだ範囲に価格が入らなければゼロ決済になると明記します。板と証拠金で建玉するperp DEXとは損失の出方が違います。

項目内容
チェーンMegaETH(EVM互換のL2・チェーンID 4326)
ステージ2026年5月15日にメインネット公開・ウェイトリストなし
運営Euphoria Panama Operations Inc.(パナマ共和国法人)
資金調達累計750万ドル(2024年11月〜2025年7月)
取扱資産イーサリアムのみ。ビットコインとソラナは予定

読者が触れる入口は3つです。

製品何ができるか読者との接点
タップトレード/Tap Trading(Web・PWA)マス目をタップして5秒満期の契約を建てる本体機能ログインと入金だけで触れる
TelegramミニアプリTelegram内から同じタップ取引を実行するBot起動だけで届く
リーダーボード損益と払い戻しのランキングとフォロー機能週次報酬の条件と連動する

画像:Euphoria公式ドキュメントより(2026年8月7日取得)

RedStone Boltが5秒の勝敗をどう決めるか

満期が5秒だと、その窓の高値と安値を後から集計していては決済に間に合わず、1ティックの取りこぼしが勝敗を反転させます。

Euphoriaはこの判定を、RedStoneの専用オラクル(価格を外部から供給する仕組み)RedStone Boltに預けています。

Boltは取引所の値を毎秒複数回計算し、1つの資産につき最新値・窓の高値・窓の安値の3本を署名付きで発行します。高値と安値は集計窓が閉じた時点で固定され、決済はこの署名済みの値だけを参照します。

倍率を提示するのは第三者のマーケットメイカーと、運営自身のインハウス部門です(利用規約4.3)。各マスには、その時点で出ている中でいちばん良い気配が表示されます。Hyperliquidのような板を持つ会場ではコストがスプレッドと手数料に分かれて外から測れますが、板を持たない設計は、コストの所在を1つの数字へ集約したかわりに、その数字が妥当かを突き合わせる相手も無くしています。

手数料ゼロでも、コストは倍率の中にある

公式ドキュメントは「現時点で取引手数料は課さない」と書いた直後に「払い戻し額を決めるのは約定した倍率だ」と続けています。

取り分は各マスの倍率へ織り込まれています。板のスプレッドのように気配の差として見えないため、1回あたりのコストを検算する材料は公開されていません。

MegaETH上のUSDmを直接入れるぶんは無料です。

出す側は、MegaETH上のUSDmで引き出す場合でもネットワークのガス代にあたる少額のUSDmがかかり、他チェーンのUSDCなどへ出すならさらに第三者のスワップ・ブリッジ手数料が乗ります。

取引そのもののガス代はいま運営が肩代わりしていますが、利用規約5節はいつでも利用者へ移せると定めています。

賭けられる額には口座ティアごとの上限があり、既定の1タップは0.1ドルです。

口座ティア1取引の上限1マスあたりの上限
新規口座5ドル25ドル
Standard10ドル50ドル
VIP未公表未公表

上限を超えるとLIMIT_EXCEEDEDで弾かれ、提示倍率から許容幅を超えて相場が動いた注文はSLIPPAGE_EXCEEDEDで失敗します。

許容幅の内側の動きなら注文は通り、その場合の約定倍率は表示された値より不利になることがあります(利用規約4.6)。

VIPは「ローンチ後に導入されうる」と書かれた段階で、上限の昇格条件も数値も非公表です。

条件が読める報酬はEuphoric Mondaysだけ

プログラムもらえるもの条件・期限
Euphoric Mondays(自社・公式Xでの通称はMonday Funday)「トークンまたはその他のデジタル資産」(公式規約6.1の表現・金額は非公表)対象週に3日以上・各日100タップ超(規約の条件)。Xアカウント連携は公式Xの告知による条件。毎週月曜から月曜で繰り返し・期限の定めなし

報酬は譲渡できず、運営はいつでも失格・中止・変更ができ、決定は最終だと規約にあります。配布は終了から30日以内です。

紹介プログラムのページは空のままですが、利用規約4.10は紹介報酬を「紹介したユーザーから徴収したプロトコル手数料の一定シェア」と定義しています。

ただし料率も設計も運営の裁量で変えられるとされ、いまの水準は示されていません。取引手数料が現時点でゼロである以上、原資の規模も読めません。

👉 Euphoria公式ドキュメントで手数料と取引上限の記載を確認する

Euphoriaを使う前に確認すべき危険性

外れた瞬間に賭け金は戻らない

勝ち負けは、選んだマスに参照価格が5秒以内に一度でも触れたかどうかだけで決まります。滞留は要らず、接触した時点で成立します。

外れれば賭け金は全額失われ、途中で決済して損失を小さくする経路もありません。清算がないかわりに、損失率は常に100%です。

勝っている人がどれだけいるかは公表されていない

非提携の第三者ダッシュボードEuphoriaLensは、2026年8月1日時点でトレーダーの75.2%が損失、中央値マイナス5ドルと表示しています。

同サイトは自らデータの欠落を注記しており絶対値は幅を持って読む必要がありますが、公式はこれに相当する損益分布を開示していません。

規約は運営の裁量を広く残している

本人確認(KYC)は直接使うぶんには原則不要とされる一方、会社の裁量でいつでも要求できると規約に明記されています。

相場操縦やオラクル操作と一致するパターンを示した口座は上限を引き下げられることがあり、公式は検知の仕組みが調整中だと自認しています。

日本から使えるのか

規約が名指しで禁じるのは、クリミア地域やイラン、北朝鮮、ロシアなど10の国・地域と、主要国や国連安保理が制裁を課す国です。日本は列挙になく、2026年8月7日時点で日本国内からのアクセスも遮断されていません。

編集部調べ:2026年8月7日、日本国内のIPアドレスからEuphoriaの公式地域判定に問い合わせ、利用可を示す応答を確認しました。判定はアクセス元IPの所在地に基づきます。

ただし規約は「暗号資産の取引が何らかの形で禁止または制限されている法域」全般も禁止対象に加えており、日本を名指しした公式文書はありません。

運営はパナマ法人で、日本の登録業者としての届出も確認できません。適法性の判断は規約上、利用者側に置かれています。

誰が運営し、トークンはどうなっているのか

公式FAQは「Euphoriaはトークンを持たず、現時点でTGEもない」と明記しています。エアドロップの告知もポイント制度も、公式には存在しません。

一方で投資家との契約には、トークンワラント(将来トークンを受け取れる権利)が付いた形だと報じられています。将来の発行が契約上想定されている事実はありますが、時期も配分も公表されていません。

項目内容
創業者Nathan Worsley(共同創業者・CEO/P2P取引所LocalCoinSwapの創業、MEV領域の経歴)、Casey Craig、Johnny Gannon
投資家Karatage(リード)、Figment Capital、Robot Ventures、Bankless Venturesほか、エンジェル100名超
調達プレシード250万ドル、シード500万ドル(Karatageリード・2025年8月発表)

公式サイトにチームのページはなく、氏名の裏付けは本人のX投稿と報道です。投機性を弁明しない姿勢は一貫していて、Worsley氏は2024年11月に「進歩の尺度は賭博や投機が減ることではなく、結果の重さが減ることだ」と書いています。

監査はSherlockが実施し、報告書は公式ドキュメントに添付されています。中核の取引コントラクトが2026年8月7日に保有していたUSDmは約145,200で、MegaETH上のUSDm総供給の0.80%にあたります。

編集部調べ:MegaETHの公開RPCで、公式ドキュメント記載の中核取引コントラクトのUSDm残高と送金ログを2026年8月6日12時24分から24時間ぶん集計しました。件数は利用者数ではなく決済経路の回数を示します。

同じ24時間の送金は1件あたりの中央値が入り4.09 USDm・出0.66 USDmで、資金は動いていても1回の規模は数ドル以下です。

編集部の見解|倍率の中身が見えない賭け

Euphoriaの設計で最も重いのは、コストと損失が同じ場所に集まっていることです。

5ドルを賭けたときに期待値がどれだけ削られるかを外から計算する材料はありません。

倍率を出す側に運営自身の部門も並ぶ以上、読者が払うコストは相手方の取り分と重なります。

清算価格を気にしなくてよい設計は、担保全体を失う経路を消したかわりに1回あたりの損失率を動かせない形へ固定しており、第三者計測で損失側に7割超が並ぶ分布もこれと地続きです。

規模の面では、中核コントラクトが抱えるUSDmはチェーン上のごく一部で、送金の中央値も数ドルです。この中央値は集計した24時間の窓での値で、少なくともその間は少額を何度も回す使われ方が中心でした。

配布を当て込んでタップ数を積む根拠も、公式がTGEを否定している以上ありません。

Euphoriaの始め方

口座開設に審査はなく、ウェイトリストもありません。

  1. euphoria.financeの右上のLog inから、ウォレット・メール・ソーシャルでアカウントを作る
  2. スマホならホーム画面に追加するアプリ形式(PWA)か、Telegramミニアプリで起動する
  3. Walletの画面で、自動生成された埋め込みウォレットの入金アドレスを確認する(ログイン用と別)
  4. MegaETH上のUSDmを直接送るか、他チェーンからのスワップ、カードやApple/Google Payで入金する
  5. 取引画面の右下で賭け金を選ぶ。既定は0.1ドルで、新規口座は1取引5ドルまで
  6. 価格が入ると思うマスをタップする。5秒以内に触れれば提示倍率で払い戻し、触れなければ戻らない
  7. Euphoric Mondaysを狙うならXアカウントを連携し、対象週に3日以上・各日100タップ超を満たす

画像:Euphoria公式サイトのスクリーンショット(2026年8月7日撮影)

👉 Euphoria公式サイトで対象地域と最新の取引条件を確認する

まとめ

Euphoriaは取引手数料を取らないかわりに、運営とマーケットメイカーの取り分をマス目の倍率へ埋め込んでいます。

トークンも配布計画も公式には無いため、判断材料は倍率と上限、そして自分が失っても構わない金額だけです。

出典

  1. Euphoria公式ドキュメント|手数料と取引上限(2026年)
  2. Euphoria公式ドキュメント|タップの手順(2026年)
  3. Euphoria公式ドキュメント|FAQ(2026年)
  4. Euphoria公式ドキュメント|Euphoric Mondays規約(2026年)
  5. Euphoria公式ドキュメント|監査(2026年)
  6. Euphoria利用規約(2025年)|最終改訂2025年3月5日・2026年8月7日取得
  7. RedStone公式ブログ(2026年)
  8. MegaETH公式ブログ(2026年)
  9. The Block(2025年)
  10. EuphoriaLens(2026年)
  11. Nathan Worsley氏のX投稿(2024年)

免責事項

  • 本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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