TurboFlowとは|perpと予測市場を統合したアジア発オンチェーン取引所

目次

TurboFlowは、無期限先物(perp)と「上がるか下がるか」を当てる短期契約を1つの画面にまとめた、アジア発のオンチェーン取引所です。取引できるトークンはまだ無く、Panteraが主導したシード調達を終えたばかりの段階です。

ポイントは貯まりますが確定した配布ではなく、触るときの主なコストは、最大1000倍のレバレッジや賭け金没収で損失が一気に確定する速さの側にあります。

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TurboFlowとは|perpと予測市場を1画面に統合

TurboFlowは、perpと予測市場(イベント契約)を同じ画面で扱えるようにした取引所で、旧Surf ProtocolというフルチェーンのperpDEXから独自チェーンへ作り替えたプロダクトです。

画像:TurboFlow公式サイトのスクリーンショット(2026年7月23日撮影)

項目内容
チェーン独自Layer-1(Solana Virtual Machine互換)。入金はSolana・BNB Chain経由
カテゴリperpDEX+予測市場(イベント契約)の統合
ステージベータ稼働・トークン未発行(TGE時期未定)
資金調達Pantera Capital主導のシード(2026年6月)

入金はSolanaまたはBNB Chainから、USDTかUSDCで行います。建玉は最小2ドルから始められ、旧Surfからの移行はワンクリック、ガス代はプラットフォーム側が負担します。

ベータの段階で、運営は登録ユーザーを約1万5,000人と発表しています。累計の取引高も大きく掲げますが、これは独立の裏取りが難しい自己申告です。

手数料は「勝った時だけ」|3商品のコスト構造

TurboFlowには取引商品が3つあり、コストの出方がそれぞれ違います。中心にあるのは、勝ったトレードにだけ手数料がかかるTurbo Perpsです。

商品手数料の取られ方主なコスト・リスク
Turbo Perps勝ったトレードだけプロフィットシェア(取引手数料・スプレッドは0)負けた時は手数料0。コストは方向を外した時の損失に集約
Classic Perpsnotionalの0.02〜0.08%/side(開閉分を建玉時に前払い)+毎時ファンディング高頻度・高レバほど手数料とファンディングが積み上がる固定コスト
Event Contracts明示の手数料なし(払戻率に織り込み)予想を外すと賭け金(最小2ドル)を全額失う

Turbo Perpsは取引手数料もスプレッドもゼロで、勝った時の利益から運営が取り分を引きます。公式の例では利益500ドルに対し取り分は約50ドル(利益の約10.1%)ですが、これは例示で固定の料率ではありません。

負けたトレードには手数料がかからないので、コスト面のマイナスは方向を外したときの損失そのものに寄ります。

画像:TurboFlowマーケット一覧のスクリーンショット(2026年7月23日撮影)

Classic Perpsは、建玉のたびに0.02〜0.08%(銘柄による)を開閉分まとめて前払いし、さらに毎時のファンディングが乗ります。高頻度・高レバで回すほど、この固定コストが確実に積み上がります。

なおVIPや出来高別の割引、入出金手数料は公式の料金ページに記載がありません。ファンディングは毎時課金で、±4%の範囲に収まるよう調整されます。

Event Contracts|清算なしの短期方向契約

TurboFlowの独自性は、perpと予測市場の中間を取るEvent Contracts(イベント契約)にあります。BTCやETHなどの価格が満期に今より上(Higher)か下(Lower)かを、30秒〜1時間の固定サイクルで当てる契約です。

perpは証拠金・ファンディング・清算を持ち続ける管理が要ります。Polymarket型の予測市場は結果が確定するまで日〜月かかり、資本の回転が遅くなります。

イベント契約は満期まで証拠金の管理もファンディングも清算もなく、注文前に払戻率(Return Rate)が提示され、確定するとその契約に固定されます。的中すれば払戻、外せば賭け金没収という、損失の上限が最初から決まった形です。

画像:TurboFlow Event Contracts取引画面のスクリーンショット(2026年7月23日撮影)

これを支えるのが、Solana Virtual Machine互換で10万TPS超を標榜する独自の実行レイヤで、約定から決済までを1つのチェーン内で通します。

2026年6月11日にはChainlinkのオラクルを統合し、単発の契約から巻き直し型の連続市場へ広げ、対象にgold(金)を加えました。決済価格を分散オラクル網に置くことで、単一のデータ点による誤った決済のリスクを下げる狙いです。

創業者は、最速で伸びているのが丸ごと予測市場だと述べています(運営の自己申告)。分離マージンやオラクル約定、Web・モバイル対応といった機能は他のperpDEXと同じ標準装備で、差別化の中心ではありません。

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1000倍レバの水準|Hyperliquidとの距離

TurboFlowは一部の銘柄で最大1000倍のレバレッジを掲げますが、これは業界の標準装備ではありません。

項目TurboFlowHyperliquidKalshi・Polymarket
主力商品perp+イベント契約を1画面perpDEX予測市場(二値・長期)
レバレッジ上限最大1000倍(一部銘柄)主要銘柄で最大40倍レバレッジなし
決済サイクル30秒〜1時間の短周期無期限(継続保有)結果確定まで日〜月
地域の重心アジア(APAC)狙いグローバル欧米

Hyperliquidは主要銘柄で最大40倍、Binanceでもビットコインは125倍が上限です。1000倍はこれらを一桁上回る水準で、証拠金に対してわずかな逆行でも建玉が消える速さを意味します。

画像:TurboFlow Perps取引画面のスクリーンショット(2026年7月23日撮影)

予測市場側でも、KalshiやPolymarketは結果が確定するまで日〜月かかる二値のベットで、TurboFlowの短周期とは資本の回転がまるで違います。板の厚さや約定品質でLighterのような専業DEXと同列に語れるかは、公開データが乏しく現時点では判断材料が足りません。

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チーム・投資家|Panteraが主導したシード

創業者のTony Heは、元Morgan Stanleyのデリバティブトレーダーで、Amber Groupを共同創業した人物です。旧Surf Protocolから同じチームでTurboFlowへ作り替えました。

本人は「機関に取り置かれてきた最良の取引機会とインフラを個人にも開く」ことと、「アジアのユーザーと機関級の流動性の間にある空白の橋になる」ことを動機に掲げています。

項目内容
創業者Tony He(元Morgan Stanleyデリバティブトレーダー/Amber Group共同創業者)
チーム30人超・大半が香港拠点
リード投資家Pantera Capital
参加投資家Susquehanna Crypto・DCG
調達600万ドルのシード(2026年6月22日公表・SAFE+トークンワラント付き)

調達はSAFEにトークンワラントが付く形で、将来トークンを取得する権利を投資家が確保しています。バリュエーションは非開示です。

旧SurfからTurboFlowへの全面刷新は2025年10月27日に公表され、翌年6月にPanteraのシード、続いてChainlink統合と進んできました。

リード投資家のPanteraは、投資根拠(2026年6月30日公開)でTurboFlowのアジア向けローカライズを評価しています。ユーザーが実際に取引したい資産や市場に最も近いチームが次世代の取引所を制する、という読みです(Pantera側の見解)。

編集部の評価|報酬期待と取引損失の非対称

TurboFlowのコストは、方向によって非対称に効きます。手数料は勝った時にしか取られない一方で、損失側は1000倍のレバレッジと賭け金没収によって速く確定します。

手数料に優しい設計であることと、負けたときの痛みが速いことは、切り分けて見る話です。

規模の数字も、額面のままでは読めません。運営が発表する累計取引高は約191億ドルですが、第三者が示す現在のオンチェーン預り資産(TVL)は2026年6月11日時点で約153万ドルと、桁が大きく離れています。

累計取引高は高回転の短期契約で膨らみやすく、いま実際にロックされている資本とは別の指標だからです。

ポイントについても、docsは「現金・トークン・将来の便益を保証しない」と明記しています。確定した配布ではなく、収益の一部を将来のポイントや紹介報酬、エアドロに再投資する方針が示されているだけです。

それでも、早期に触る材料はあります。Panteraがリードした裏付け、将来トークンのワラント、最小2ドルという低い入口が並びます。アジア向けローカライズという差別化の芯も、実際の採用を示す公開データが薄い点とセットで見えてきます。

始め方|最小2ドルから試す手順

少額で挙動を確かめるところから始めれば、損失も学習コストも小さく抑えられます。

  1. SolanaまたはBNB Chain対応のウォレットに、USDTかUSDCを用意する。
  2. 公式アプリtf.xyzにアクセスし、ウォレットを接続する(Web・モバイル対応)。
  3. SolanaまたはBNB Chain経由でUSDT/USDCを入金する(建玉は最小2ドルから)。
  4. Classic/Turbo Perps、またはイベント契約で取引し、ポイントを貯める。
  5. 紹介リンクやコードを共有し、リーダーボード上位を狙う。

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まとめ

手数料が勝った時だけという設計は魅力的に見えますが、TurboFlowで実際に効くのは1000倍レバと賭け金没収による損失の速さです。トークンもポイントも未確定な今は、少額で触って挙動を確かめる範囲に判断材料が集中します。

出典

  1. PR Newswire(2026年)— https://www.prnewswire.com/news-releases/turboflow-raises-6-million-seed-led-by-pantera-capital-to-bring-institutional-trading-infrastructure-to-everyday-users-302806950.html
  2. The Block(2026年)— https://www.theblock.co/post/405706/turboflow-funding-crypto-pantera-capital
  3. Cryptopolitan(2026年)— https://www.cryptopolitan.com/turboflow-raises-6m-from-pantera-to-build-asias-on-chain-prediction-market-hub/
  4. Odaily(2025年)— https://www.odaily.news/en/post/5207097
  5. Crypto Briefing(2026年)— https://cryptobriefing.com/turboflow-chainlink-prediction-markets/
  6. Pantera Capital(2026年)— https://panteracapital.com/investing-in-turboflow/
  7. TurboFlow Docs — Fee Schedule / Event Contracts / Execution Layer — https://turboflow.gitbook.io/whitepaper
  8. TurboFlow公式サイト — https://www.tf.xyz/

免責事項

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この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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