xStocksとは|トークン化株式の買い方・手数料と裏付けの確かめ方

目次

xStocksは、米国株やETFの値動きに連動するトークンを、原株1対1の裏付けをつけて発行しているサービスです。証券口座の残高ではなく自分のウォレットで持てるので、取引所から引き出して、貸し借りや流動性提供の担保にそのまま回せます。発行元は2025年12月にKrakenの親会社Paywardによる買収が発表され、いまはその傘下で同じ銘柄を複数のチェーンに並べています。

xStocksとは|トークン化株式で何を持つのか

xStocksを買って手元に残るのは株そのものではなく、原株の経済的な価値を受け取る権利です。発行しているのはジャージーに置かれた専用会社で、株主としての権利は付きません。

項目内容
カテゴリRWA(米国株・ETFのトークン化。香港上場株と商品ETFも稼働)
発行元Backed Assets (JE) Limited(ジャージーの専用会社・現地の金融サービス委員会に登録)
親会社Krakenを運営するPayward
対応チェーンEthereum・Solana・TON・Ink・BSC・Optimism・X Layerは全銘柄、Mantleなど5チェーンは一部銘柄
独自トークン未発行。貯まるのは金銭的な価値を持たないxPointsのみ

発行元を専用会社に切り出しているのは、この会社が倒れたときに原株が親会社の資産と混ざらないようにするためです。価格は原株に連動しますが、請求先は株式市場ではなく発行元です。

画像:xStocks公式サイトのスクリーンショット(2026年10月1日撮影)

公式サイトは累計取引高400億ドル超という数字を前面に出しており、3週間前の表示は350億ドル超でした。

価格が原株に追随する仕組み

値動きが原株に追随するのは、銘柄ごとに実際の株を買って分けて保管し、その保有量に合わせてトークンを発行しているからです。価格の参照には、各チェーンで公開されている価格フィードを使います。

新しく株が買われればトークンが増え、株が売られればトークンが焼かれます。このやり取りをするのは発行元と、マーケットメイカーなどの大口です。

xStocksの配当と株式分割の扱い

配当は現金で振り込まれません。かわりに原株へ再投資され、持っているトークンにかかる乗数が上がります。

手取りが減るのはここです。米国株の配当は、多くの銘柄で源泉税30%を引いた純額が再投資に回ります。たとえば10月8日に配当があるインテュイット(INTUx)なら、1株あたり1.38ドルのうち再投資されるのは0.966ドルです。株式分割や併合も、同じ乗数の更新として処理されます。

裏付け資産を自分で照合する手順

1対1の裏付けがあるかどうかは、説明を待たずに銘柄単位で突き合わせられます。公式の準備金ページはウォレットをつながなくても開けて、銘柄ごとに「出回っている量」と「保管されている株数」が並びます。

画像:xStocks Proof of Reservesのスクリーンショット(2026年10月1日撮影)

画面に出ていた6銘柄は、いずれも保管株数が出回っている量をわずかに上回っていました。気になる銘柄があれば、自分でも同じように確かめられます。

  1. 準備金のページを開きます。ウォレットの接続は要りません。
  2. 検索窓にティッカー(たとえばSPYx)か銘柄名を入れます。
  3. 出てきたカードのIn Circulation(出回っている量)とIn Custody(保管されている株数)を見比べます。
  4. 右端のRatioが100%を超えていれば、保管株数のほうが多いという意味です。
  5. 銘柄を変えて、同じことを繰り返します。

2026年10月1日のデータで全銘柄を合計すると、1,167銘柄の保管株数は771万株あまりでした。どの銘柄も、保管株数が出回っている量を下回っていませんでした。

この1,167銘柄のうち、実際にトークンが出回っているのは743銘柄だけです。残りは枠が用意されただけで、まだ発行されていません。公式の画面に出ている数は1,101銘柄で、数え方によって件数が変わります。

xStocksの買い方と経路ごとの手数料

買う場所は取引所でもDEXでも選べますが、どこで買うかによって価格への上乗せと使える流動性が変わります。発行元から直接受け取る経路は大口向けで、個人が通るのはほぼ二次市場です。

画像:xStocks公式Productsページのスクリーンショット(2026年10月1日撮影)

銘柄一覧では、1行ごとに展開先チェーンのアイコンが8個から10個ほど並びます。同じ銘柄をどのチェーンで持てるかは、買う前にここで確認できます。

CEXとDEXで買うときの費用

Kraken経由で買うと、市場価格に1.0%のスプレッドが乗った価格で約定します。公式サイトは二次市場について、110か国以上で使えて1ドルから端数で買えると説明しています。

DEXで買う場合は価格がプールの状態しだいで決まり、別途ガス代がかかります。発行元と直接やり取りする発行と償還は最低5,000ドルからで、手数料は現在ゼロに設定されています。

米国株を24時間取引できる範囲

二次市場が24時間365日動くかは経路しだいで、Krakenは平日24時間(週末の取引は開発中)、週末も板が立つのはDEXなどオンチェーン側です。ただし発行元を通す発行と償還は米国市場に合わせた平日24時間で、週末に新しいトークンが増えることはありません。

発行元が扱う時間帯にも区分があり、平日24時間が976銘柄、米国市場の時間だけのものが104銘柄、米国外の取引時間に合わせたものが87銘柄です。週末に大きなニュースが出ると、値動きを受け止めるのは二次市場の板だけなので、価格が原株の終値から離れることもあります。

どのチェーンで持つかで板が変わる

Solana専用のサービスではありません。全銘柄がそろうチェーンが7つあり、Monad(643銘柄)やTron(75銘柄)のように一部の銘柄だけ載るチェーンもあります。

2026年8月10日にはHyperliquidのHyperCoreに、NVDAxやSPYxなどの現物5銘柄がUSDC建てで上場しました。買う前に、自分のウォレットが対応するチェーンで板が立っているかを見ておくと迷いません。

日本からxStocksに触れるか

答えは経路しだいで変わります。Krakenのリスク開示は冒頭に「xStocks not available in Japan. Geo restrictions apply.」と書いていて、取引所経由では日本から使えません。

いっぽう、発行元のサイトが挙げる除外地域は米国・英国・カナダ・オーストラリアと制裁対象の法域ですが、一覧に日本がないことは日本向けに提供しているという意味ではありません。二次市場での売買そのものは本人確認のいらない取引で、対応チェーンのウォレットとステーブルコインがあれば技術的には動きます。本人確認とウォレットの事前登録が必須なのは、発行元と直接やり取りする発行と償還だけです。

👉 xStocksの対応チェーンと取扱銘柄を公式サイトで確認する

xStocksのエアドロ期待とxPointsの報酬

いま貯められるのはxPointsというポイントだけです。公式の案内では、金銭的な価値はなく、譲渡もできず、トークンやエアドロップを受け取る権利も付きません。シーズンごとのリセットや取消し、プログラム自体の中止もありうると明記されています。

画像:xStocks xPointsポータルのスクリーンショット(2026年10月1日撮影)

同じページには加点の3段が出ていて、下から保有、貸し出し、流動性提供の順に並びます。ところが画面側の説明文は「貯めたポイントが将来の報酬の取り分を決める」と書いていて、受領権を否定する案内とはトーンが食い違います。

プログラムもらえるもの条件・期限
xPoints(xStocks)xPoints(金銭的な価値なし)対応ウォレットを接続して署名登録。期限の定めなし
紹介プログラム(xStocks)紹介者は招待した人の獲得ポイントの20%、招待された側はポイント1.2倍xPointsの登録後に紹介リンクを共有。期限の定めなし
Nado連動クエスト(xStocks・対象はInkチェーンのNado)xPointsのブースト(預け入れで1.25倍、現物の出来高で最大3割)NadoにxStocks資産を預ける、または現物を売買。2026年10月6日まで
Opt-In Rewards(Kraken)保有している同じ銘柄が最大1%増えるKrakenでオプトイン。対象10銘柄・週次付与。日本は対象外
xStocks Vaults(Kraken)預けた銘柄と同じ建てで最大2%(手数料を引いた後)SPYx・QQQx・NVDAxを1ドルから預ける。日本は対象外

Krakenで保有・売買してもxPointsは貯まりません。加点の対象はウォレット側の活動だけで、取引所に置いた残高は数えられません。

xPointsにウォレットを登録する

登録そのものは数分で終わります。

  1. xPointsのページを開きます。
  2. Connect WalletからEthereum・Solana・Ink・TON・BSC・X Layerのいずれかのウォレットをつなぎます。
  3. 表示される署名メッセージに署名すると、登録が終わります。
  4. 紹介リンク経由で入った場合は、招待された側のポイントが1.2倍になります。
  5. ソーシャル連携のクエストを済ませると、さらに1.1倍が乗ります。

ポータルは、不正と判定したアカウントを削除すること、登録から7日以内に活動のない新規アカウントを自動で削除することを告知しています。つないだだけで放置すると、この自動削除の対象になります。

いま動いているクエストと締切

動いているクエストは、Inkチェーンで取引と預け入れを扱うNadoに向けた2本だけです。xStocks資産を預けるか、現物を売買して出来高を積むと、ポイントにブーストが乗ります。

このクエストの期限は2026年10月6日で、読んでいる時点ではすでに終わっている可能性があります。

Kraken側の報酬はxPointsとは別枠

取引所が出す報酬は、ポイントとは別の商品です。Krakenでオプトインすると、対象10銘柄の保有残高に最大1%が週次で付きます。2026年9月14日に始まった金庫(xStocks Vaults)は、預けた銘柄と同じ建てで最大2%です。

金庫の裏側では、預かったxStocksを担保にステーブルコインを借り、Kaminoなどの貸借市場へ回しています。利回りは変動して保証されず、公式も資産の一部または全部を失う可能性があると書いています。どちらもKrakenの商品で、日本からは触れません。

xStocksを使う前に確認すべき危険性

損の起点は株価の上下よりも、オフチェーン側の約束に寄っています。具体的には、発行元、原株の保管先、まだ上場していない株の受け渡しをめぐる約束です。

発行元が倒れたときに何が起きるか

担保になっている原株は銘柄ごとに分けて管理され、ほかの資産と混ぜられません。発行元・保管先・独立した担保管理者の三者で口座を押さえる契約も結ばれています。発行元が倒れたときは担保管理者が担保口座を掌握し、目論見書に沿って分配する建て付けです。

ただし保管先が公開されている744銘柄では、預かっているのはAlpacaとGTNの2社(660銘柄と84銘柄)です。保管先が集まっているぶん、どちらかで事故が起きたときに影響を受ける銘柄は広くなります。共同創業者のAdam Leviも「Teslaを保有しているのではない——これは重要だ——が、Teslaの経済的価値に対する権利は基本的に持っている」と述べ、商品の性質を自分から限定しています。

公式は投資家保護の一つとして監査済みのコントラクトを挙げていますが、監査法人名やレポート本体は公開資料から辿れませんでした。

プレIPO枠は2回続けて現物が届かなかった

上場前の株をトークンで受け取る枠は、申し込めても現物が届かないことがあります。2026年6月のSpaceXでは発行元が原株の割当を取れず、Binance WalletやBybitが募っていた企画がまとめて中止になり、返金されました。

2026年9月24日には、Ōura(OURAx)の枠が公募価格(xStocksの5%スプレッドを含む)で募られました。これもŌura自身が9月29日に上場を延期したため実施されず、予約した資金は返ってきました。割当はもともと引受証券会社が需要を見て決めるので、先着順ではありません。OURAxは10月1日の銘柄一覧にも載っていません。

実際に売買できる銘柄は限られる

枠が1,100を超えていても、売買が成立する銘柄はもっと狭い範囲にとどまります。取引が止まっている銘柄も10月1日に10件あり、3週間前の3件から増えました。

銘柄ごとの出来高をまとめて見せる公式の集計はないので、厚みを確かめるには買う場所の板を自分で見ることになります。注文を出す前に、最良買値と最良売値の差と、板に並ぶ数量を確かめておくと、思わぬ滑りを避けられます。

👉 xPointsの加点条件とクエストの残り日数を公式ポータルで確認する

他の発行元と比べた残高と銘柄数

オンチェーンで持ち出せるトークン化株式にかぎれば、銘柄の枠も接続先も最大手ですが、そこに実際に載っている残高では首位ではありません。

画像:xStocks DeFiポータルのスクリーンショット(2026年10月1日撮影)

ダッシュボードは、預かり総額と保有者数、銘柄別の残高上位を同じ画面に出します。

項目xStocksOndo StocksBinance bStocks
オンチェーン残高(2026年9月6日の第三者集計)6億9,300万ドル9億4,700万ドル6億7,800万ドル
同カテゴリ31億ドルの中での位置2番手首位3番手
広げ方12チェーンへ同じ銘柄を展開Solanaへ200銘柄超を一括展開BNB Chain上のBEP-20としてBinanceを主な入口に提供

自社アプリの中で完結させるRobinhoodの株式トークンは、アプリ内のClassic Stock Tokensが2,000銘柄超で、数ではxStocksを上回ります。xStocksが広く取っているのは数ではなく、「どこでも持ち出せる」範囲です。

残高で見ると2番手

公式のエコシステムページに並ぶパートナーは72件で、取引所16社とDeFiの26プロトコルが含まれます。

オンチェーンに実際に載っている残高では、首位のOndoに届かず2番手です。3番手との差は小さく、順位は入れ替わりえます。

残高の中身は暗号資産関連株に寄っている

厚みがあるのは「世界中の株式」ではなく、暗号資産を主な仕事にしている数銘柄です。公式ポータルの画面は、預かり総額を約8億9,889万ドル、保有者数を48万人あまりと表示していました。銘柄別の残高で上位に並ぶのはStrategyの優先株STRCxが約1億4,497万ドル、同社の普通株MSTRxが約1億612万ドル、Circle(CRCLx)が約7,909万ドルです。

出回っている量に公開の参照価格を掛け、上位90銘柄を合計すると約8億3,800万ドル相当になります。そのうち約43%が暗号資産関連株です。3週間前に同じやり方で数えたときも約4割で、偏りは動いていません。

xStocksが外から見えるようにしているのは、「裏付けが本当にあるのか」という一番不安な部分です。銘柄ごとに保管株数と出回っている量を誰でも突き合わせられ、株を預かっている会社の名前まで見えるので、発行元の説明を信じるかどうかという話にせずに済みます。

ただし、その裏付けの外側にある約束はまだ揃っていません。上場前の株の受け渡しは2回続けて不成立で、残高の4割強は暗号資産を主な仕事にする銘柄に寄っています。どちらも「世界中の株式をオンチェーンへ」という看板より手前の状態を示しています。枠が3週間で1.6倍に増えても、実際に出回っている銘柄はその6割台です。増えたのは売り場の広さで、売れている銘柄の幅ではありません。

まとめ

xStocksで手に入るのは株券ではなく、原株1対1の裏付けを持つ値動きの権利です。裏付けがあるかどうかは銘柄ごとに自分で突き合わせられます。一方で、どこで買うかによって上乗せと使える板が変わり、日本から触れるかも経路しだいで変わります。xPointsは貯まりますが、トークンの配布そのものは約束されていません。

出典

  1. xStocks公式ドキュメント|法的概要(2026年)
  2. xStocks公式ドキュメント|仕組み(2026年)
  3. xStocks公式ドキュメント|FAQ(2026年)
  4. xStocks公式ドキュメント|発行と償還(2026年)
  5. xStocks公式サイト(2026年)
  6. xStocks公式サイト|銘柄一覧(2026年)
  7. xStocks公式サイト|エコシステム(2026年)
  8. xStocks準備金ページ(2026年)
  9. xStocks準備金データ(2026年)
  10. xStocks銘柄データ(2026年)
  11. xStocks配当データ(2026年)
  12. xStocks|xPointsポータル(2026年)
  13. xStocks|xPoints設定データ(2026年)
  14. xStocksクエストデータ(2026年)
  15. xStocks公式ニュース|Vaults(2026年)
  16. xStocks公式ニュース|Hyperliquid(2026年)
  17. Krakenリスク開示(2026年)
  18. Krakenヘルプ|IPO Access(2026年)
  19. Krakenヘルプ|xPoints(2026年)
  20. Krakenブログ|Opt-In Rewards(2026年)
  21. Krakenブログ|Backed買収(2025年)
  22. Decrypt|SpaceX(2026年)
  23. Decrypt|Backed創業者(2025年)
  24. CryptoBriefing(2026年)
  25. Robinhood開発者ドキュメント(2026年)
  26. TechCrunch|Ōura(2026年)

免責事項

  • ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
  • ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。
  • ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

この記事を監修した人

新井 進悟

新井 進悟

株式会社ロクブンノニ 代表取締役

2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。

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