Ember Protocol|Sui発のEverything Vaultsプラットフォームの特徴と使い方
- 対象期間
- 進行中
- タスク
- 対応チェーン
- カテゴリ

目次
Ember Protocolは、Sui ネットワーク上で稼働する「Everything Vaults」プラットフォームです。DeFi・CeFi・Web2 の多様な利回り戦略やファンド戦略を、単一の「シェアプライス(受益証券価格)」モデルへトークン化し、非カストディアルで透明性の高いボールトとして提供します。
Sui 上で「初の Structured Vaults Product」として立ち上がり、Sui の主要 DeFi アプリである Bluefin を運営する Bluewater Labs と、インキュベーターの Upshift が支援しています。本記事では、Ember Protocol の特徴、主要ボールト、提携事例、使い方、最新のトークン/キャンペーン状況までを網羅的に解説します。
プロジェクト概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | Ember Protocol (エンバー プロトコル) |
| カテゴリ | DeFi / Vaults / Structured Yield |
| 対応チェーン | Sui(稼働中)/Solana・EVM(対応予定) |
| ステージ | Mainnet(Sui) |
| TVL(DefiLlama) | 約 $13.72M(2026-04 時点) |
| インキュベーター | Bluewater Labs(Bluefin 運営)/Upshift |
| 公式サイト | https://ember.so/ |
Ember Protocol は、単一のシェアプライス・モデルの下でクリプト(DeFi)・CeFi・Web2/リアルワールド資産の各種戦略を「ボールト化(vaultify)」する投資インフラです。ユーザーは対応資産をボールトに預けると、受益トークン(shares)を受け取ります。ボールトの NAV(純資産価値)が戦略の損益を直接反映し、キュレーターの手数料もシェアプライスに埋め込まれる設計です。預入資産そのものから手数料が差し引かれない点が、従来型 DeFi プロトコルと異なる大きな特徴といえます。
引き出しはロックアップなしで随時可能で、決済は最大 T+4(4 営業日)以内に完了する仕組みです。パーミッションレス(誰でも参加可能)なボールトだけでなく、機関投資家向けに KYC を前提としたパーミッションド・ボールトも用意されており、オンチェーン/オフチェーン双方のニーズを 1 つのインフラで取り込める点が強みとなっています。
ここがすごい(特徴・強み)
- Everything Vaults — 単一シェアプライスで多様な戦略を統合: DeFi の利回り・マーケットメイキング・ストラクチャード商品・トークン化資産などを、NAV ベースの単一シェアプライスで管理できる統一ボールト基盤です。戦略ごとに別プロトコル・別 UI を使い分ける必要がなく、同じ入出金フローで多様な収益源にアクセスできます。
- 非カストディアル・パーミッションレス設計: トップクラスの Web3 キュレーターがレンディング市場・スポット AMM・Perps DEX などを跨いで戦略を運用します。ユーザー資産は常にスマートコントラクト管理下に保全され、第三者への移転が発生しない構造です。
- NAV 埋め込み型の手数料モデル: キュレーターへの手数料はシェアプライスに反映される設計で、預入資産から直接引き抜かれません。キュレーターは戦略を持続的に収益化でき、ユーザー側は NAV を通じて常にネット受益を確認できます。
- 3 レイヤー構成の投資インフラ: DeFi レイヤー(ボールト/マーケットメイキング)、CeFi レイヤー(トークン化クレジット・ファンドポートフォリオ)、Web2 レイヤー(ネオバンク/フィンテック連携)を 1 つのスタックで提供します。
- パーミッションド(KYC)と パーミッションレスの両対応: 機関投資家向けの KYC 必須ボールトと、誰でも参加できるパーミッションレスボールトの双方をサポートします。SUI Group など機関プレイヤーの参加実績も生まれています。
- Solana・EVM 拡張が予告済み: 公式ドキュメントでは、Sui からの拡張として Solana および EVM 各チェーンへの預入対応が「very soon」として予告されています。
主要ボールトと提携事例
Ember Protocol は Sui エコシステムを中心に、複数のフラッグシップボールトを立ち上げています。いずれもインフラ提供は Ember、戦略運用はキュレーター/提携先が担う分業モデルです。
| ボールト | 提携先 | 内容 |
|---|---|---|
| eSUI / suiUSDe Vault | SUI Group × Ethena | 機関投資家向けの suiUSDe(Sui 版 USDe)利回りボールト。2026 年 2 月に SUI Group が $10M を初期投入。 |
| rcUSD Vault(R25) | R25(RWA プロトコル) | 2025-12 に公開された旗艦フィックスドイールド・ボールト。TopNod Wallet 経由でも参加可能。 |
| Ember Bitcoin Vault(tBTC) | Threshold Network | Sui 上で tBTC を担保に用いた初の Bitcoin Vault。Sui × tBTC Phase 2 キャンペーンの中核。 |
これらのボールトはそれぞれ性質が異なり、安定志向(R25 rcUSD)/ステーブル/機関投資家向け(SUI Group × Ethena)/BTC 担保(Threshold tBTC)といった形で、リスク・プロファイル別に選択できます。いずれも Ember のシェアプライス・モデル上で統一的に管理されるため、戦略ごとの収益・手数料が NAV に透明に反映されます。
使い方・参加手順
Ember Protocol の基本的な利用フローは、「Sui 対応ウォレット接続 → ボールト選択 → デポジット → 受益トークン受け取り」というシンプルな構成です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 必要ウォレット | Sui 対応ウォレット(Suiet / Sui Wallet / TopNod 等) |
| 必要資産 | 各ボールトの対象資産(SUI・suiUSDe・rcUSD・tBTC 等) |
| ガス代 | Sui ネットワーク手数料(少額の SUI) |
| ロックアップ | なし(随時引き出し可) |
| 決済期間 | 最大 T+4(4 営業日以内) |
| KYC 要否 | ボールトごとに異なる(パーミッションド/パーミッションレス両対応) |
参加手順は次の通りです。
- 公式サイト ember.so にアクセスする。
- Sui 対応ウォレット(Slush, Phantom Wallet 等)を接続する。
- 自身のリスク許容度に合わせてボールト(eSUI/rcUSD/tBTC など)を選択し、詳細を確認する。
- 対象資産を入金し、受け取る受益トークン(shares)の数量を確認してデポジットを実行する。
- 必要に応じて、learn.ember.so でボールト毎の戦略・手数料・NAV 算定方法を参照する。
- 引き出し時はアプリ内から redeem を実行する。決済は最大 T+4 で完了する。
- 公式 X @EmberProtocol をフォローし、新規ボールト/提携情報/チェーン拡張(Solana・EVM 対応)などの発表をウォッチする。
トークン・エアドロップ情報
Ember Protocol のネイティブトークンに関する公式発表は、2026-04-24 時点で確認できていません。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ネイティブトークン | 未発行(ティッカー未公表) |
| TGE 日程 | 未発表 |
| 公式エアドロップ | 現時点で告知なし |
公式な進展は、Ember Protocol の X アカウントとドキュメントで随時アナウンスされる見込みです。ネイティブトークン設計が確定するまでは、現状稼働しているボールトでの利回り獲得や、提携先(R25 や Threshold 等)のインセンティブ活用が中心となります。
セキュリティ・透明性
Ember Protocol は、シェアプライス(NAV)にすべての損益と手数料を反映させる設計により、資金の流れをオンチェーンで追跡できる点を重視しています。
- 非カストディアル構造: ユーザー資産はボールトのスマートコントラクトに保管され、Ember Protocol 運営者が直接引き出す権限を持たない設計です。
- バグバウンティ: HackenProof 上で Ember Protocol のバグバウンティプログラムが公開されています。
- 透明な手数料モデル: キュレーター手数料が NAV に埋め込まれるため、預入資産からの直接控除は発生しません。
- DefiLlama 計測: TVL・手数料・収益は DefiLlama で追跡可能で、現時点の TVL は約 $105.56M です。
- パーミッションド対応: 機関投資家向け KYC 必須ボールトでは、コンプライアンス要件と DeFi 透明性の双方を両立する設計となっています。
正式な第三者監査レポートの公開については、公式ドキュメント上で随時更新されるため、新ボールトを利用する前には最新のセキュリティ情報を確認することを推奨します。
関連情報・リンク集
- 公式サイト: https://ember.so/
- Earn(ボールト一覧): https://ember.so/earn
- ドキュメント: https://learn.ember.so
- 公式 X: https://x.com/EmberProtocol
- DefiLlama: https://defillama.com/protocol/ember-protocol
- Bluefin 連携ページ: https://trade.bluefin.io/ember
まとめ
- Ember Protocol は Sui 初の「Everything Vaults」プラットフォームで、DeFi/CeFi/Web2 の戦略を単一のシェアプライスで統合管理できる投資インフラです。
- Bluewater Labs(Bluefin 運営チーム)と Upshift がインキュベートしており、SUI Group × Ethena(suiUSDe)、R25(rcUSD)、Threshold(tBTC)などの大型パートナーシップを通じて機関投資家・RWA・Bitcoin 担保へと対象を拡大しています。
- 非カストディアル・NAV 埋め込み型の手数料モデルにより、資金は常にユーザー側に保全されつつ、戦略の損益と手数料が透明に可視化されます。
- ロックアップなし/T+4 決済/KYC 有無の両対応で、個人・機関双方の資金が同一インフラに流入しやすい設計となっています。
免責事項
- ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
- ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。
- ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
この記事を監修した人

新井 進悟
株式会社ロクブンノニ 代表取締役
2013年に東京理科大学大学院(経営工学専攻)修了後、Web・アプリ・広告業界の複数社でエンジニア、データサイエンティスト/データアナリストとして従事。2017年頃から仮想通貨・ブロックチェーン領域に携わり、2018年1月に株式会社ロクブンノニを設立、同年2月にブロックチェーン特化型メディア「Crypto Times」をローンチ。業界歴は約9年。DeFi・L1/L2プロトコル・トークノミクス・ZKP・国内外の規制動向を専門領域とし、自身でもオンチェーンでの資産運用・リサーチを日常的に行う。数百本以上の記事執筆・監修を担当し、国内外カンファレンス登壇、DeFi資産運用セミナー講師、KOLアンバサダープログラム運営など実績多数。


